退職理由と転職理由ランキング!性別や年齢別ランキングや退職理由の例文も紹介

新卒で会社に入っても、「三年で三割が辞めていく」という傾向は昔も今も変わっていません。

最初の会社で仕事を続けている人でも「仕事辞めたい」「会社辞めたい」と一度ぐらいは思った事があるのではないでしょうか?我慢して今の会社で働くべきか、転職して新境地で頑張るべきなのか・・・、悩ましいところですね。

今回は、みんなが思う退職理由をランキング形式で紹介しています。また、実際に辞めたくなった時、どのように具体的な行動をとれば良いのか、動くタイミング・辞めたい旨を会社に伝える退職理由例文も合わせて紹介しています。

この記事でわかること

・退職理由のランキング
・転職理由のランキング
・年齢別の転職理由・退職理由
・円満退職のための会社・上司への伝え方の例文

退職理由のランキング!

厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果の概況」より
平成29年退職理由別割合

「長時間勤務」や「休みが取れない」、「給与が安い」などの労働時間・環境に対する不満が挙がりました。

やはり、労働時間や給与などの労働条件が退職を考える引き金になっているようですね。

今の職場を辞めたい理由については、おおよそ以下の理由に集約されるはずです。ランキング形式で見ていきましょう。

1位 労働時間・休日等の労働条件が悪かった

労働時間が長すぎる
やる気はあっても体がついていかない・・・

連日の残業が原因で体調不良を繰り返す日々。しかも、今のご時世、手当も出ない「サービス残業」なんてことも珍しくはなくなってきています。

上司に相談しても「残業が多いのは仕事が遅いから」と相手にしてもらえないなど、ブラック企業とも疑われるような状況の方も多いようですね。

何度交渉しても改善の余地が見受けられず、転職に踏み切る方も多いようです。

毎日朝は早くに出て、夜は遅くに帰宅。
そんなんじゃ全然、自分の時間が取れないよ・・・。
いくら手当てが出たとしても、過重労働はうつ病や心身症などの原因にも繋がってきますよ!
誰しもが自分らしい生活を実現するため、ある程度のスキルがあればもっといい職場に脱出して、「鎖につながれた生活」から抜け出たいと思いますよね!

2位 給料が安い(基本給、手当、残業代)

給料が安い
どれだけ仕事にやりがいがあっても、進んで残業をしなければ生活が成り立たない程の低給与で、生活のために辞めざるを得ない人も多いようです。

仕事に見合わない安月給、住宅手当などがない、残業代がもらえない(一部、全部)、会社は儲かっているはずなのに、従業員への還元がないのは、やはり納得いきません。

更に、男女格差などで昇給ペースに男女で違いがあり、同期の男性社員との給与差が開き、同じ仕事をするのが馬鹿らしくなった。という女性側の意見もあります。

基本給も安いのに、手当も残業代も出ないなんて・・・
贅沢するどころか生活するのも一苦労だよ!

今どき男女格差だなんて時代遅れですね!

業績のいい会社なら従業員に還元してくれないと、どうしても納得できずに転職を考える人もいるでしょう。

3位 職場の人間関係が好ましくなかった

人間関係
いくら勤務時間が長かろうが、休みが少なかろうが、人間関係のいい職場だとやりがいも感じられ楽しいものです。

しかし、合わない人が多い職場では、いくら高い給料をもらっていたとしても、精神的なストレスは溜まるいっぽうです。

また、ストレスが溜まるとうつ病などメンタルを壊してしまう要因にも繋がりかねません。

この場合、「会社を辞めたい」をより強く感じるでしょうね。
この会社にいる限りこの人間関係が続いてしまいますからね。

4位 会社の将来が不安だった

『経営が思わしくなくなり、ボーナスや残業代は全てカット。「2年我慢すれば上向く」という経営陣を信じ、耐えに耐え続けたにもかかわらず、5年経っても経営状態は全く上向かず。

それどころか周りでリストラの噂が広がりだして・・・。会社の将来が不安になり、退職を願い出た。』という人も実際にいてるようです。

ニュースなどで「景気は上向いてきている」といわれても、実際にそれを体感出来ている人は少ないのではないでしょうか。

5位 仕事の内容に興味が持てない

希望していた仕事内容と違う
「やりがい」を期待して入社したのに配属された部署は単純な雑務ばかりでモチベーションが上がらない。異動願を出したが、それもまったく考慮されず。

組織である以上、誰かがその仕事を担当しないといけないと思い我慢していたが、あまりに業務に変化がなさ過ぎ、仕事に対するやる気をなくしてしまった。という思いを経験された人も少なくないのでは?

なかなか自分が本当にしたい仕事を出来ている人は少ないようで、もっと自分が成長できる職場を求め退職届けの提出に踏み切る人も多いようです。

本当は他にやりたい仕事があるのに・・・

あわない仕事をさせられるとストレスも溜まるし、楽しくもないし・・・辞めたくもなりますよね。

会社の風土、文化に合わない

会社の風土に合わない

超前時代的な会社はいまでもあります。毎朝の朝礼、社長の講話、社訓の暗唱・・、
「いつの時代だよ」と驚くような文化、風土を持っている会社は実は少なくありません。

もちろん、勤務時間中だけではなく、飲み会文化が合わないという人もいます。
飲み会の回数もそうですし、主に新人が犠牲になるお説教、一芸疲労、上司の接待、さらにお酒の強要(立派なアルハラ)もそうですよね。

さらに休日に行われる実質強制参加の社内行事、若手が参加しないといけない「野球部」、役員の気まぐれで決まったソフトボール大会など、ウェットな人間関係が大好きな人というのはどこにでもいるものです。そういうのが耐えられない人もいますよね。

ちなみに筆者は、新人一年目に、専務が発案した「職員交流ソフトボール大会」(もちろん休日に実施)の案内に対して「代休をよこせ。そうでない場合は時間外と交通費。法的に妥当な解釈を聞かせて」と返したら、二度と職員行事の案内が来なくなりました(笑)。

公平に評価されない

公平に評価されない

同僚と同じ、あるいはそれ以上の結果を出しているのに、なぜかその同僚の方が評価がよく、出世していく。
大して能力がないのになぜか上から守られる、やらかしたのにその人だけ異動で済む(出世はしていく)。

こういう人が周囲にいると、やる気をなくしていくのもわかります。
特に男性の場合は、職場の評価が自分の人間としての評価だと思ってしまう人もいますからね。

かつての私の上司であった「理事課長」も理事の靴をなめるような態度をし続けた結果、無能なのに出世しているようです。こういうのを見ると評価って何なんだろうと思います。

なんだか嫌になった

なんだか嫌になった

特に理由はないけど、今の仕事が嫌になってしまいました。意味なく会社を辞めてしまう人、周囲に結構いませんか?

テレビなどでよくあるのは一流企業の会社員だった人が、訳もなく会社を辞めてしまい、何の修行もなくいきなり飲食店を始めて、大失敗して多くの負債を抱えてしまうようなパターンです。

会社員としての能力と、辞めてからやっていく能力は違いますからね。

料理人でも、一流レストランのシェフだった人が、辞めて独立開業が必ずしも上手く行く人ばかりではないのと同様で、そのまま会社員を続けた方がいい人も多いはずです。

職業選択は自由ですから、何が何でもしがみつくのがいい選択だとは思いませんが、明確な辞める理由がない場合、あえてその選択をしていいのか、立ち止まって考えるのが大切でしょう。

転職理由ランキング!

ここまでご紹介してきたのは「退職理由」について。では次に、会社をやめて実際に転職した方の意見という視点から大手転職エージェント「doda」が行った「転職理由」ランキングをもとに、見ていきましょう。


堂々の1位は?トップに立ったのは前年に引き続き「ほかにやりたい仕事がある」でした。今回のアンケートでは、IT・通信、メディア、金融、メディカル、メーカー、商社・流通、サービス、小売・外食の8つの業種にわけて調査を行っていました。

なんと、8業種中7業種の転職理由の1位は「ほかにやりたい仕事がある」。これはちょっと驚きですね。どの業種でも転職者は、高い目的意識を持って転職を決意しているのですね。

上位の理由を大きく見ると、キャリアチェンジ現職への不満や不安キャリアアップの3つを示しているように感じます。2位「会社の将来性が不安」、3位「給与に不満がある」、4位「残業が多い/休日が少ない」が示すように、現職への不満や不安から転職を考える人が多いようですね。

昨今はブラック企業が注目されるようになり、これまで自分への待遇に我慢していた人も、見切りをつけるようになってきたのかもしれませんね。

他にも、「専門知識・技術を習得したい」「市場価値を上げたい」「幅広い経験・知識を積みたい」など、キャリアアップに前向きな意見が目立ちました。

年代別の転職理由ランキング

20代の転職理由


「20代」の転職理由は、2位の「給与に不満がある」の割合が前年から最も上昇し、2008年以降初めて10%台を超えました。また、3位「残業が多い/休日が少ない」と6位「土日祝日に休みたい」が前年から順位が2つ上がりました。

20代は、特に給与や休日・休暇に関する転職理由を挙げる傾向が高まっているようだね。

30代の転職理由


「30代」の転職理由は、1位「ほかにやりたい仕事がある」、2位「会社の将来性が不安」の割合が共に下がり、僅差ですが順位も入れ替わりました。そのかわりに3位「給与に不満がある」が2008年度以来、初めて割合が10%を超えました。

また、20代の転職理由 TOP10にはなかった「会社の評価方法に不満がある」が30代になるとランクインしていることが特徴的です。成果を出しているのに、それが評価につながらず昇進や給与に反映されない事が転職を考えるきっかけとして増えているようです。

30代は結婚や出産とうライフスタイルの変化で、20代の時よりも収入に意識が向けられる傾向にあるようですね。

40代の転職理由


「40代」でも待遇に関する転職理由を挙げる人の割合が増えました。3位「給与に不満がある」は前年より順位も1つ上昇し、8位「会社の評価方法に不満がある」は前年から0.9pt増の3.4%となりました。

異業界への参入を進める企業が多く、特定の分野で豊富な経験を持つ人材を歓迎する求人数も増えているため、現状に満足していない人の中にはより良い条件の仕事を探す人が増えています。

「1位「会社の将来性が不安」、4位「倒産/リストラ/契約期間の満了」、9位「業界の先行きが不安」の結果からも分かるように、雇用環境の改善が明らかになったんですね!
画像をご覧いただいても分かるように、20代、30代の転職理由1位は「ほかにやりたい仕事がある」ですが、40代になると「会社の将来性が不安」という意見が転職理由の1位になりました。さらに、20代、30代、40代いずれも、最も割合が上昇した転職理由は「給与に不満がある」でした。

男女別の転職理由ランキング

男性の転職理由


男性の転職理由でも、上位の転職理由は総合ランキングとほとんど変わりませんが、上昇が目立ったのは待遇に関するものでした。
割合が最も上昇したのは3位「給与に不満がある」でした。また、「会社の評価方法に不満がある」も前年より順位を1つ上げ9位に。

一方で、男女で傾向に違いが出た転職理由は5位「専門知識・技術力を習得したい」や8位「市場価値を上げたい」とあるように、男性は転職によってスキルアップやキャリアアップを図りたいという理由が多いように見える一方で4位「残業が多い/休日が少ない」は2011年度以降、増加の一途をたどっています。仕事とプライベート両方の充実を図ろうとする人が増えていることが分かります。

女性の転職理由


女性の転職理由でも3位「給与に不満がある」が最も上昇し、順位も1つ上がり2008年以降最高順位の3位となりました。

「土日祝日に休みたい」を転職理由に挙げる人の割合も増えており、この転職理由は、女性のみTOP10にランクインしており、女性に多い転職理由といえます。

2位の「残業が多い/休日が少ない」は、男性では上昇傾向の続く転職理由になっていますが、女性では2013年以降緩やかに下降傾向しています。

女性は、就業時間の長さより給与の高さや働き方など、勤務形態を優先する人が増えているようですね。

転職・退職のきっかけは些細なことが多い?

「給与が安い」、「休みが少ない」など仕事に不満を持っていても、我慢して働き続けている人も多いですよね。その中でも、転職を決意した人は、どんなことがきっかけだったのでしょうか。

不本意な異動や転勤、人間関係や結婚等を機に本格的に転職を考え出す人が多いようです。

結婚・出産…これは圧倒的に女性に多いきっかけです。家庭環境が変わることで、今までできていた仕事もしづらくなり、結果的に少ない負担で済む会社への転職を考え始めるのです。

人事制度への不満…せっかく頑張ってきたのに、不当な評価を下されると、モチベーションもがくんと落ちてしまいますよね。今まで我慢してきたものが爆発して、転職を考え始める人が目立ちます。

人間関係の悪化…仕事内容自体への不満はなくとも、それを取り巻く人間関係が悪いと、仕事への集中力も低下してしまいます。上司や同僚との間に決定的な亀裂が入ったとき、転職を考え始める人が多いのだそうです。

体調の悪化…身体だけではなく、メンタルも今や病気のひとつとして考えられています。体調を崩し、今まで通り働けなくなったときには、転職を考えた方がいいのかもしれません。

ちなみに、エン転職の調査によると、転職を考え始めた時期は、「ここ1か月以内」という人もいれば、「3か月前」「半年前」「1年以上前から」と見事にバラバラでした。
転職を考え始める時期ときっかけは、人によって千差万別なのですね。

仕事辞めたいと会社辞めたいの違い

仕事辞めたいと会社辞めたいは違う

同じ「辞めたい」でも、仕事を辞めたいのと会社を辞めたいのでは微妙に意味が違ってきます。

「仕事を辞めたい」は、現在の職種や働くことそのものへの拒否反応です。

より重症だとも考えられ、ひょっとするとうつ病になりかけている、もしくは既にうつ病などになってしまっているという可能性もあり、早急な対処が求められます。

「会社を辞めたい」は、どちらかというと今の会社の「人間関係」や「社風」への拒否反応ですね。転職に成功すれば、また仕事へのモチベーションが回復する可能性がありますね。

「症状」として「会社を辞めたい」の場合は「仕事を辞めたい」よりも穏やかなので、いろいろ考えて戦略を練れるかもしれません。

とはいえ、どちらも放置すれば、やはりうつ病などの精神疾患になる可能性があります。

「辞めたくなったら」具体的にどんな行動をとればいいの?

辞めたい理由にもよりますが、最悪今の地位に戻れる可能性は維持できるようにしておきましょう

給料が上がる転職は割合的には少ないですし、転職しても労働条件や人間関係がもっと悪くなるという可能性もあります。

では、退職を意識しだしたら、具体的にどのような行動をとれば良いのか、順番に見ていきましょう。

その1.まずは社内で部署転換、異動を申し出てみよう!

部署転換・異動もし退職理由が今の部署から異動することで解決できるようなら、まずは人事に異動したい旨を伝えてみるのも良いでしょう。

異動することで、業務内容や人間関係など、改善できる余地があるかもしれません。

その2.転職サイトなどで他社企業の市場調査をしてみよう!

転職先を探す実際に転職をするかどうか、まずは市場を探ってみましょう。

転職サイトなどで行きたい会社、行きたい業界の求人がどのくらいあり、待遇はどうなのか、ひょっとすると自分の会社の方が条件が良いかもしれません。

転職に失敗しないよう、先に市場を探ることも大切です。

その3.実際に転職活動を始める

転職活動転職した方が状況が良くなる、と判断出来れば転職活動を始めます。

先に退職してしまうのもいいですが自己都合退職の場合、失業手当をもらえるまでに三か月以上かかり、その間は無手当で転職活動することになります。

気力・体力ともに問題がなければ、仕事の手は抜きつつ、働きながら転職活動をするのも一つの方法です。

その4.会社に退職希望を伝える

退職届
診断書条件に合った転職先が見つかれば、退職の意思を会社に伝えます。

もし、明らかに抑うつ感が出ている人は転職が決まっていなくてもすぐに退職しましょう。

もし、うつ病などの病気という診断書を医師からもらえるのであれば、退職後でも「傷病手当金」がもらえます。

まずは診断書を会社に提出し、休職制度限界まで休職するのもありです(もちろん、その後会社に復帰しない)。

会社の休職制度を使えば、有給休暇や傷病休暇を使い、在職しながら「傷病手当金」をもらうことができます。

退職後の「傷病手当金」と違うのは、求職中であれば社会保険や年金の半額は会社が折半することになり、自己負担が少なくて済みます。多少会社に迷惑はかかりますが、貴重な「人生の夏休み」としてじっくり休養するのもありです。

もちろん休職期間は、会社に在職していますから、履歴書の空白期間にはなりません。ただし、「傷病手当金」は働けなくてもらうものですので、その間、転職活動はNGです。徹底的に休息を取り、万全の態勢で転職活動の準備をしましょう。

有給の消化や会社の傷病休暇であれば、その間の転職活動は大丈夫です。

では実際に行動を起こすとなったらタイミングはいつが良いのか?

  • 「仕事辞めたい」→できるだけ速やかに
  • 「会社辞めたい」→仕事の様子を見ながら徐々に

を基本に考えればいいでしょう。

「仕事辞めたい」を放置してしまうと、うつ病などになり、働きたくても働けない体になってしう可能性があります。

「会社辞めたい」の場合は、部署異動で何とかなるのであれば、その解決策を優先させても良いでしょう。

ですが、あまり時間をかけ過ぎてしまうと「やっぱりいいや」とズルズルしてしまい、余計に状況を悪化させてしまうこともあります。

行動を起こす第一歩!行動するための準備の仕方・方法はコレ!

転職や退職を含めていろいろなことを予想し、いざとなった時に臨機応変に行動するための準備として

  1. 転職サイトへの登録
  2. 転職エージェントへの登録

をおススメします。

①については、自分の仕事や業界が売り手市場なのか、転職のしやすさや待遇面を確認できます。

②については、専任の転職エージェントから今の自分が置かれている客観的状況、つまり「辞めたい」という気持ちが妥当なものなのか、思い違いなのか、プロの目から見たアドバイスが受けられます。

「転職エージェントなんだから転職を勧めるに決まっている」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

転職エージェントの成果報酬は「その職場に転職した人が一定期間、辞めずにいる」ことが条件なので、転職する必要がない人に無理やり転職を勧めて転職させても、すぐに辞められてしまっては一円の利益にもならないのです。

転職先で満足してもらえる求人の紹介が絶対条件なので、実は「辞めたい」という気持ちが思い違いの人には「転職はマイナス」だと指摘し、転職を勧めません。
行動を起こすタイミングについてもアドバイスをもらえるはずなので、とりあえず、辞めたいという気持ちを持っている人は、一度転職エージェントに登録して、面接を受けてみるといいかもしれないですね。

準備としてこの二点を行っていれば、もし困った事があってもすぐ対応できるはずです。

辞めたい理由は様々ですが、心身からのSOSである可能性もあります。「頑張れば何とかなる」と一人で抑え込まないで誰かに相談してみましょう。

自分は大丈夫と思って頑張りすぎてしまうと、気付いた時にはあなたもうつ病や心身症などになっているかもしれません。

【退職理由】円満退職する為の「建前」例文~会社にはこう伝えよう~


「立つ鳥跡を濁さず」が理想ですが・・・

日本的な考えですが、いくら会社を辞めると言っても退職理由は穏当なもので円満に辞めるべきという意見が目立ちます。

  • 社会人としてのマナー
  • どこかでまた縁があるかもしれないから
  • 同業他社へ転職した場合あなたの情報がいく

などもっともな理由で、波風を立たせず極力穏便に辞めた方がいいのは事実です

とはいえ、最後ぐらい「辞表を叩きつけたい」という人もいるでしょう。

ネットの掲示板などには「立つ鳥跡を濁しまくれ」という意見もあります。

また、ブラック企業の中には「そんな理由で辞めさせる訳ないだろう」と脅すところもあるようです(法的には辞めさせないことはできません)。

場合によっては辞表を出す際にICレコーダーを忍ばせておいても良いでしょう。もし会社と意見が対立してしまったら、それを元に内容を整理することもできますし、最悪の場合、関係機関に駆け込むこともできます。

いずれにせよ、本音はもちろん大切ですが、会社を円満に退職するためには建前も必要です。

では、退職の理由例と例文を紹介していきましょう。

退職理由が「前向きな理由」「やむを得ない理由」だと波風が立たない

円満退職するための無難な退職理由は、主に2つあります。

  • 前向きな退職理由
  • やむを得ない退職理由

まずは「前向きな理由」からみていきましょう。

「前向きな退職理由」の例文を紹介

「前向きな退職理由」の代表例は次の3つです。

  • 他にやりたい仕事がある
  • キャリアアップしたい
  • 資格試験を目指す

大切なのは、どの退職理由にも共通して必要なのが、退職後のキャリアプランを明確にするということです。

退職に対する揺るがない意思と「新しい環境でチャレンジする!」という熱意をしっかり伝えましょう。

「他にやりたい仕事がある」事を伝える場合の例文

実は兼ねてより〇〇業界に興味があり、一度挑戦したいと考えていました。
自分の力を試してみたいという思いを捨てきれず、◯月末で退職させていただきたいと思っております。誠に身勝手ではございますが、ご了承いただけますようお願いいたします。
退職理由を伝えるときは、退職時期についてもはっきりとこちらから提示しましょう。

「キャリアアップしたい」事を伝える場合の例文

将来について改めて考えたところ、前部署で行っていた○○の分野の仕事を極めたくなりました。
新たな環境で業務の幅を広げ、もっと能力を高め活躍を目指したいと思うようになりました。誠に身勝手ですが、◯月◯日で退職させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
極めて前向きな理由での退職ですね。
場合によっては「他部署への異動」や「昇給」など、慰留条件を提示されて引き止められる可能性もあります。なぜ現職ではダメなのか、この会社の人事制度上無理だから、新天地を目指して転職しますとはっきりとした理由を伝えましょう。

「資格試験を目指す」事を伝える場合の例文

社会保険労務士を目指す勉強のため◯月末で仕事を辞めようと考えています。
ずっと学生時代から憧れはあったのですが、就職して働くなかで、より社労士の重要性を認識しました。誠に身勝手ですが、よろしくお願いいたします。
資格試験を目指すというのも前向きな理由としていいですよね。
実際には受けなくても、試験に落ちた。といえますし。笑

嘘も方便ですね!

ただ「お約束」としては、完全に文系だった人が「医師になるから医学部受験する」と言っても「おいおい」となってしまいますよ。笑

2~3年の勉強で合格する可能性があるサムライ資格だといいかもしれません。

「やむを得ない退職理由」の例文を紹介

「やむを得ない退職理由」は様々ありますが、「家庭の事情」の場合、上司も納得せざるを得ません。

  • 家業を継ぐことになった
  • 結婚をすることになった
  • 家族の介護をすることになった
  • 家族が転勤することになった

など、「家庭の事情」の例文は次のとおりです。

家業を継ぐ事を伝える場合の例文

実家の両親も高齢になり、両親だけで家業を続けていくのがしんどくなりました。
父の下で修業しながら、自分が家業を継いで行こうと決断いたしました。会社には今まで大変お世話になり、ご恩を感じていますが、◯月◯日で退職させていただきたく存じます。
「家業を継がずに今の仕事をしろ」という人はいませんよね。
こちらも円満に辞めるためにはいい方便になると思います。
ただ、これが使えるのは実家が自営業の人だけですね。

サラリーマン家庭ということを会社が知っているなら「えっ?」となってしまいますのでご注意を。
その場合は「起業したい」で行きましょう。

寿退社する場合を伝える場合の例文

実はこの度、結婚することになりました。
これからは夫を支える立場でがんばりたいので退職させていただきたいと思っております。
ただ、男性ではなかなか使えない理由ですね・・・。
まぁ、そうですね。笑
男性が結婚を退職理由として使えるのは婿養子になる場合ぐらいでしょうか。

家族の介護を伝える場合の例文

家族が高齢となり、介護が必要になりました。
仕事と介護の両立が難しく、介護に専念したく退職の意思を固めました。誠に身勝手ですが、◯月末で退職させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
これも女の人が使う理由じゃないですか?
まぁ、実際には女性の方が多いかもしれませんが、男性が介護で退職することも珍しくはありませんよ!
中には奥様の介護をされているケースもあります。
なるほど。確かにそうかも・・・。

家族の転勤を理由にするときの例文

夫が仕事で転勤することになりまして…。大変悩んだのですが、一緒に転勤先に行く事に決断いたしました。

ご迷惑をおかけしますが、◯月◯日で退職させていただきたく存じます。

これは女性ならではの理由ですね・・・。
そうですね。これはさすがに男性ではあまりいてないかもしれませんね。

どうしても理由を言いたくない時は「一身上の都合」で押し通す

基本的に退職理由はできるだけ伝えたほうがいいです。上司としても「部下が退職する理由」は、やはり聞かずにはいられません。

しかし、どうしても退職理由を伝えたくなければ「一身上の都合」で通しましょう。

この度一身上の都合で退職いたします。すみません、それ以上は申し上げられません。

誠に身勝手ではございますが、◯月末で退職させていただく事をご了承いただけますようお願いいたします。

相手に色々詮索されるのを防ぐにはこれがいいです。
冷たいやり方ですが負の感情を溜めないためにはこういうのもアリです。

「本音」をぶちまけてしまう

○○課長のやり方にはもぅ耐えられません!
トラブルが発生してもフォローできない。自分の失敗すら部下にすべて押し付ける。立派なパワハラですよね。
尊敬できない上司の下で仕事したくないので辞めさせてください。
跡を濁すやり方で、全くおススメはできませんが、溜飲が下がるならこれでキャリアをリセットするのもアリかもしれませんね。
辞表には一応「一身上の都合により」「私事により」と書きますが、
最後くらい本音をぶちまけても面白いかもしれないですね!

ただし、この場合は条件が3つあります。

  1. 同業他社への転職ではないこと(風評被害リスクがあることを念頭に入れましょう)
  2. 社内の仲のいい人の理解を得ていること(少なくとも仲がいい人とは退職後も付き合えた方がいいです)
  3. ICレコーダーを忍ばせて起動させておくこと

この方法を取るならば抗議の意思表示として、辞表提出後は一切出社せず有給完全消化(有給申請を内容証明で送付)、そのくらい覚悟があればこういう辞め方もあるかもしれません。(あくまでもお勧めはしませんが)

注意!!

退職理由を「病気退職」にするのは避けた方がいい

無難そうにみえる「病気退職」を理由として勧める転職情報サイトもありますが、私は本当に病気の時以外はやめておいた方がいいと思います。

  • 内臓疾患を理由にした場合

「会社の健康診断で問題なかったじゃないか」と言われるとなかなか切り返せません。療養して治りそうなら「傷病手当金」を受給して治せと言われるかもしれません。

  • 精神疾患を理由にした場合

会社の健康診断ではわかりませんが、会社の相談室やEAP(Employee Assistance Program)、産業医との面談などを受けさせられるかもしれず、却って話が大きくなってしまう可能性があります。

病気退職の場合には医師の診断書も付けないといけませんから(一方的に病気だからやめるでもいいのですが)、それは本当に病気でなければ難しいですよね。そうでない人は別の理由を探した方が無難です。

ウソは厳禁という人もいますが、ウソをついても許される時はあります(持っていない資格を持っているというのはNGですが)。

お見合い時に「こんな男と同じ空間で息するのも嫌!」と断る人はいませんよね。ウソでも「私にはもったいない人です」と言うはずです。ウソも方便と言いますが、「本音」と「建前」を上手に使い分けをし、相手を傷つけたり、悪い印象を与えないよう気は付けたいところです。

「建前」と「ウソ」は微妙に違う


いろいろと書いてきましたが、ではあなたは「建前」と「ウソ」・「本音」と「建前」の意味の違いを説明できますか?

誰かに対して「建前はいいから本音はどうなんだよ!」と思ったことはありませんか?

「本音」と「建前」・「建前」と「ウソ」これらの言葉は普段、普通に使われている言葉ですが、実は一般的に思われているような、「本音は本当のことで、建前とは嘘(もしくは上辺だけの)こと」という意味ではないんです。

一度、あなたが今の仕事をしている理由について考えてみてください。

・仕事をする建前の理由は何ですか?
・仕事をする本音の理由は何ですか?

例えばあなたが営業マンだとした場合、

・「建前」は、お客様に良い商品を届け、ご満足いただくため。
・「本音」は、歩合がもらえて給料が高いから。

と言うかもしれません。

「本音」は本当のことで、「建前」を「ウソ」だとすると、この営業マンはお金の為だけに働いているということになりますね。しかし、お客様に満足してもらいたいという気持ちは全くの「ウソ」でしょうか?

「建前」は全く心にもないこととは違う気がしませんか?少なくとも、一般的に思われているような「建前=嘘、上辺だけの言葉」ではないことはお分かり頂けると思います。

実は「本音」も「建前」も自分の本心なんです

つまり、営業マンは「お客様に満足してもらえれば自分も高い給料がもらえる。」と本心から思っている。という事ですね。

  • 本音:自分を取り繕わず、あるがままの本心から出る言葉。
  • 建前:人に伝える時に使う表向きの言葉。
  • ウソ:人をだますために言う、事実とは異なる言葉。

少しややこしいかもしれませんが、「建前」は、決して「ウソ」ではありません。ただ、必要に応じて「本音」と「建前」を使い分けることで、色々円滑に回るのだと思います。

退職を決めても会社へ感謝の気持ちは忘れずに!謙虚な姿勢を心がけて

ここまで読んでいただき、円満に退職するために「前向きな退職理由」と「やむを得ない退職理由」がベストなのはお分かりいただけたのではないでしょうか。

いくら退職するといっても、そこは自分を育ててくれた会社です。

「残業が多い」や「給与が低い」など、あまりにも本音丸出し過ぎる理由だと、「恩をあだで返す」「後ろ足で砂をかける」様なものです。

会社や上司が納得できる退職理由と感謝の気持ちを伝え、円満な退職を目指しましょう!

そして、後の人にも迷惑が掛からないよう、最後までしっかり引き継ぎを完了させれるよう、退職日は余裕をもって設定することもお忘れなく。