介護派遣で働く8つのメリット・デメリットや給料|正社員とどちらが良い?

介護_派遣_メリット_給料_正社員

正社員介護士とともに現場を担うのが派遣会社から派遣される介護士です。

この記事ではそんな派遣介護士として働くメリットやデメリットとともに正社員との違い、給与、実際に介護派遣で働いた方の体験談などを紹介しています。

【この記事で分かること】

  • 派遣介護士のメリットとデメリット
  • 正社員との違い、どちらで働くのが得か
  • 派遣介護士の給与
  • 実際に派遣で働いた人の口コミ

介護派遣とは?どんな働き方?

介護派遣とは、派遣会社に雇われている介護士が、派遣会社と契約を結んだ施設で働き、施設でなく派遣会社から給料をもらう働き方です。

ただ施設に派遣されたといってもその場で働く介護士は通常の介護士と同様、施設の指示のもとで仕事をします。仕事内容も大きな差はありません。

介護派遣は派遣会社が次に働く施設を紹介してくれるので、転職活動を一から始めるよりも楽です。

介護派遣社員と正社員、パート、アルバイトとの違い

派遣介護士と施設介護士(正社員・パート・アルバイト)の違いは次の表のとおりです。

比較項目派遣介護士正社員パートアルバイト
仕事内容介護全般介護全般補助的業務補助的業務
雇用主派遣会社施設運営法人施設運営法人施設運営法人
勤務時間フルタイムor
短時間を選べる
フルタイム短時間
※フルタイムもある
短時間
時給(給料)1,600~1,900円1,000~1,500円970~1,400円970~1,250円

以下で表について詳しく解説していきます。

仕事内容の違い

派遣介護士・正社員・パートが介護全般を行うのに対し、アルバイトは補助的な仕事(お茶出し・配膳・お話し相手・掃除など)を行います。

雇用主の違い

正社員・パート・アルバイトが施設を運営する法人に雇われるのに対し、派遣介護士は派遣会社に雇われます。

働ける期間の違い

正社員が原則として定年まで働けるのに対し、派遣介護士・パート・アルバイトが働ける期間は短いです。

派遣介護士は同じ施設で3年を超えて働くことはできません。パートとアルバイトが働く期間は6か月から1年が多いといわれています。

勤務時間

正社員は8時30分から17時30分などフルタイム勤務なのに対し、パートとアルバイトは9時00分から15時00分など短時間勤務です。

派遣介護士は、フルタイムと短時間のどちらを選ぶこともできます。

派遣介護士は即戦力

派遣介護士には即戦力が求められます。施設は即戦力になる介護士の派遣を期待して派遣会社と契約するからです。そのため、派遣社員は経験者が多いのに対し、パートやアルバイトには未経験者も多く見られます。

実務経験があり即戦力になる自信があるのなら、派遣介護士として転職するのもひとつの方法といえるでしょう。

介護士が派遣を選ぶメリット

時給が高い

派遣介護士は、施設のパートやアルバイトの介護士より時給が高いです。場合によっては正社員よりも時給が高いです。

パート・アルバイト介護士の時給が約1,100円(介護労働安定センターによる平成30年介護労働実態調査)に対し、派遣介護士の時給は約1,300円から1,500円といわれています。

残業なしが基本で残業代も出る

派遣介護士は残業なしが基本となっています。施設と派遣会社は派遣契約の中で派遣介護士の勤務時間をキッチリ決めているので、施設の都合で残業させるわけにはいかないからです。

派遣介護士がどうしても残業せざるを得ない場合、施設のタイムカードなどを示して派遣会社に残業代を請求することができます。

自分の都合で休日や時間帯を選べる

派遣介護士は、自分の都合に合わせて休日や時間帯を選ぶことができます。

派遣介護士には派遣会社から複数の仕事のオファーがあり、介護士は自分や家族にとって都合のよい休日や勤務時間を設けている施設を選ぶことができるのです。

有給がしっかり取れる

派遣介護士も年次有給休暇(有給)を取ることができます。なかなか有給を取れない正社員やパートと違い、派遣介護士は雇用主が施設でなく派遣会社のため忙しさや顔色を伺う必要がなく、問題なく有給が取れます。

未経験や無資格でも働ける

派遣介護士は経験者が多いとお話ししましたが、未経験者や無資格者はダメというわけではありません。とにかく人手が欲しい施設は派遣会社に対し、未経験や無資格でもよいとの求人オファーをするからです。

ただ移乗・入浴・排泄・食事など利用者の身体に直接触れる介助は利用者の健康や安全への影響が大きいため、無資格者はすることができません。

仕事内容は送迎・お茶出し・配膳下膳・お話し相手・レクレーションの進行などに限られます。時給もその分、派遣にしてはやや低くなるでしょう。

人間関係が合わなければすぐに施設を変えられる

派遣介護士が派遣先施設での人間関係に限界を感じたら、次の施設を紹介してもらえます。

派遣会社が目指すのは、派遣介護士に派遣先施設で気持ちよく働いてもらうことです。人間関係で辛い思いをしてまで働かせようとは思っていません。

人間関係に悩んだら派遣会社の担当者に相談して、派遣先を変えてもらうようお願いしてみましょう。

面接がないので気楽

派遣に先立って施設担当者が派遣介護士と採用面接をすることは、法律で禁止されています。人材派遣は派遣会社が厳選した介護士を無条件で働かせるシステムだからです。

施設採用であれば必ず行われる採用面接がないのは、気持ちの上でとても楽だといえます。

福利厚生が充実している

正社員採用と比べ、福利厚生が充実している派遣会社が多くあります。

通勤手当だけでなく住宅手当、社宅、健康診断、育児・介護休業など、派遣先施設以上に福利厚生が整った派遣会社を選ぶことで施設介護士より充実した福利厚生を受けられることになります。

派遣会社を選ぶ際、これらのメリットができるだけそろった派遣会社を選ぶようにしましょう。それは、派遣による転職を成功させることにもつながります。

介護士が派遣を選ぶデメリット

ボーナス(賞与)や退職金がない

ボーナス(賞与)や退職金がないのが派遣介護士の特徴です。

派遣介護士の給与はボーナスがない代わりに高額なのと、退職金は長期間勤めあげた人がもらえるものであることが理由とされています。

派遣介護士は長くとも3年程度しか働けないので、退職金を受け取ることができません。

施設内で風当たりが強い場合がある

施設にもよりますが、中には派遣介護士をよそ者的に見る施設介護士がいることも確かです。派遣制度の無理解から派遣介護士が残業をしないことへの反感を感じる施設介護士もいることでしょう。

このように施設介護士との間に溝ができて、派遣介護士へ風当たりが強くなることがあります。

1つの職場で働き続けることができない

派遣介護士は法律によりひとつの施設で3年以上働き続けることができません。

派遣先施設が自分に合っていて働きやすく、施設介護士とも仲良しになって、自分としてはずっとここで働きたいと思っても働き続けることはできません。

実際に介護派遣で働いている人の体験談3選

高収入が得られて満足

成功例:K・Iさん 25歳 男性

とにかく毎月の生活に必要なお金を稼ごうと、少しでも時給のよい介護派遣を選びました。同じセクションの仲の良いパートさんにこっそり時給を聞いたら、私より少なかったです。やはり時給だけでいえば介護派遣がよいですね。

もっとも独身の気楽な身の上だからこんなこと言っていますが、結婚して家庭を持って将来の生活設計を考えるようになれば、正社員として働くのも選択肢になると思います。

残業なしには気苦労が付いてくる

失敗例:S・Kさん 28歳 女性

子どもを保育園に預けての仕事だったので、残業がないという介護派遣を選びました。今までの経験から最初はなかなか定時で帰ることができなかったのですが、勇気を出して「子どもを保育園に迎えに行くので、お先に失礼します」と言うと、ほとんどの施設介護士さんは「お疲れさま」と快い返事をしてくれました。

派遣で働いてみて正解だったと思います。ただ中には「もう帰るの?」と言わんばかりの顔をする方もいました。

残業せずに介護派遣を続けるのはかなり気を使うので、私の場合は今後も続けられるか少し不安です。

未経験者でも働ける

成功例:M・Yさん 45歳 男性

勤めていた飲食店が新型コロナの影響で閉店を余儀なくされ職を失いました。父親が介護サービスを受けていた関係で介護に関心はあったものの、経験も資格もない自分が介護職に就けるとは思っていなかったところ、ネット情報に詳しい家内から未経験無資格OKの介護派遣を勧められたのです。

派遣会社の担当者がとんとん拍子に話を進めてくれて、今はデイサービスの送迎・配膳・お話し相手・レクレーションの進行などをさせてもらっています。

「亡くなった父もこんなふうに職員さんにお世話されていたのかな」と思うと感慨深いものがあります。来月から初任者研修を受けることになり、仕事の範囲を広げられたらうれしいです。

皆さんの周りに介護派遣の経験者がいたら、ぜひお話を聞いてみましょう。体験談に勝る勉強はありません。

失敗しない介護派遣会社の選び方

介護派遣としてしっかり働くには、よい派遣会社を選ぶことが大切です。

ここが失敗するとブラック施設を紹介されたり、福利厚生が整っていない可能性があります。そこでよい派遣会社を選ぶポイントを4つ紹介します。

介護業界に特化している

まずは介護業界に特化している派遣会社を選びましょう。

ほかの業種がないので介護の仕事を探しやすいですし介護職経験者が担当者になることも多いので、相談もしやすくなります。

求人数が豊富

求人数が豊富な派遣会社を見つけましょう。求人数が多い分、自分に合った派遣先も探しやすくなるからです。

また、求人数が多いサイトはそれだけ施設側からも認知されており、掲載料を支払う価値があると判断されている証拠でもあります。

たとえば2020年7月6日現在、「介護求人専門サイト かいご畑」には9,898件、「マイナビ介護職」なら41,654件、「介護ワーカー」では71,968件という、未公開も含め、とても多くの介護求人が寄せられています。

資格取得の支援をしている

資格取得の支援をしてくれる派遣会社がおすすめです。

資格取得支援とは、資格を取得した時にごほうびとしてお金がもらえる仕組みです。資格取得にはそれなりの費用がかかりますし、何より資格取得へのモチベーションが上がります。

資格を取ればアピールポイントが増え仕事の幅も広がるので、派遣先を見つけやすくもなるでしょう。

アドバイザーとの相性が良い

アドバイザーとの相性は、派遣の前後を通じてとても大事です。

派遣社員にはそれぞれアドバイザー(あるいはコンサルタント)と呼ばれる担当者が付いて、派遣先の紹介や顔合わせの調整をしてくれます。

派遣中も仕事や給料などの相談相手となる人です。アドバイザーとの相性の良し悪しで、介護派遣がうまくいくかどうか決まるといってもよいでしょう。

よい派遣会社とめぐりあうことが、介護派遣や転職を成功させる秘けつです。4つのポイントをもとに、よい派遣会社を選びましょう。

介護派遣のまとめ

介護士が派遣で働くのはかなり有効な選択肢です。その際は転職サイトの利用をおすすめします。

転職サイトでは派遣会社と派遣先施設の両方にチェックが入り、良質な派遣求人だけが厳選されます。これはブラック施設だらけのハローワークの求人票にはないことですのでホワイト施設で心身の負担なく働きたい方は転職サイトを使うべきです。

派遣介護士として働きたい方におすすめのサイト

1位:かいご畑

介護の求人なら かいご畑

年代全年代雇用形態正社員,アルバイト・パート,派遣社員
対象エリア全国(主に関東・関西中心)
業界医療専門職その他
ポイント
  • 地域密着型なので地方でも求人多数
  • 資格なし未経験でもOKの求人も多い
  • 介護資格を0円で取得するサポートもる!

「かいご畑」は夜勤なしの求人に加えて、無資格・無経験でもOKの求人が多いです。

運営は株式会社「ニッソーネット」が行っており、同社が運営する福祉の教室「ほっと倶楽部」で、資格取得や受験対策のための講座を無料で受けられるのが特徴です。

2位:マイナビ介護職

マイナビ介護職

マイナビ介護職_公式バナー
年代全年代雇用形態正社員.契約社員.派遣社員,アルバイト,パート
対象エリア全国
業界医療専門職その他
ポイント
  • 職場の雰囲気などを先に教えてもらえる!
  • 職業紹介優良事業者認定を獲得している
  • 好条件の正社員求人も多数

施設や職種が具体的に細かく分類されているため、夜勤なしを筆頭に自分の希望にあった転職先を探しやすいのが特徴です。

キャリアアドバイザーと呼ばれるコーディネーターによる、きめ細やかな転職サポートを受けることができます。

キャリアアドバイザーの中には転職経験者や介護職経験者もいて、求職者の気持ちに寄り添ったサポートが期待できます。

3位:介護ワーカー

介護の求人・転職なら介護ワーカー

介護ワーカー_公式画像
年代全年代雇用形態正社員.契約社員.派遣社員,アルバイト,パート
対象エリア全国
業界その他
ポイント
  • 給与など交渉を代行してくれる
  • 実際に働く介護士の口コミ情報を教えてもらえる
  • 介護士専門のコンサルタンサポートがある

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