働く職場ではいつもパワーハラスメント(パワハラ)があった猫野きなこです。

私が以前事務員として働いていた会社には、新人全員にパワハラをする上司がいました。最初は優しく笑顔で接しているのですが、相手の反応を見て徐々にパワハラをエスカレートしていくのです。

パワハラされやすい新人は毎日続く嫌がらせで鬱状態になってしまい、仕事を無断欠勤するようになって退職していきました。

しかし、同じ新人でもパワハラされやすい人とされにくい人がいます。

今回はパワハラされやすい人の特徴とパワハラされにくい人が実践していた仕返し方法、パワハラを訴える方法とメリットとデメリット、パワハラで退職していった人のその後を紹介します。

パワハラの定義とは

まずは「どういう行動がパワハラになる」のか、パワハラの定義を調べてみました。

厚生労働省が定めるパワハラの定義とは、「職場での優位性を背景にして業務の適正な範囲を超えた精神的または身体的苦痛を与える行為や、職場環境を悪化させる行為」をいいます。

職場での優位性には上司から部下に限らず、その逆や先輩・後輩、同僚に対して行われるものも含まれます。

「主なパワハラの6類型」として、パワハラになりやすい6つの例を紹介します。

  1. 身体的な攻撃…殴る、蹴る、たたくなどの暴行
  2. 精神的な攻撃…皆の前で罵倒する、長時間または繰り返し執拗に叱る
  3. 人間関係からの切り離し…1人だけ席を移す。送別会に呼ばない
  4. 過大な要求…実力以上の仕事を押し付ける
  5. 過小な要求…本来の業務とは違う仕事だけを命じる
  6. 個の侵害…交際相手について執拗に問う。夫婦や親に対する暴言

加害者側は軽い気持ちで接していたり、相手のための教育と思いこんだ行動がパワハラになってしまいます。悪質な場合は1度でもパワハラと判断されます。

それでは、私の職場で実際に会ったパワハラを漫画と共に紹介します。

パワハラされやすい人の特徴

 

パワハラされやすい人の特徴は、真面目で優しい人が多いです。

新人の佐藤くん(仮名)は入社した当初はやる気にあふれ、笑顔を絶やさない明るい性格でした。

上司である課長は佐藤くんの教育係で、「わからない事があれば何でも俺に聞け」と言っていました。課長は「仕事を覚えさせるため」という名目で自分の雑用を佐藤くんに全て押し付け、佐藤くんは営業に出る時間が少なくなりました。

その結果、佐藤くんはなかなか契約するチャンスに恵まれず、上司に「いつになったら契約が取れるんだ?この給料泥棒め」といやみを言われるようになりました。

課長はよく笑いながら佐藤くんの背中を叩くのですが、すごい音がしてめちゃくちゃ痛そうでした。

しかし、暴力なのか冗談なのかあいまいなやり方だったので、佐藤くんは苦笑いをしつつ受け入れていました。

その後、イベントで佐藤くんに初契約のチャンスがありました。初めて作る契約書類に佐藤くんは自信がなかったみたいでオロオロしていて、課長も自分の接客でバタバタしていました。

そんな課長に佐藤くんが契約書について質問した所、上司は「入社した日に教えただろう!」と言った後「馬鹿、ボケ」といった佐藤くんを罵倒する言葉を浴びせ、肩を思いっきりぶつけて自分のお客さんの所へ行ってしまいました。

佐藤くんはしばらく呆然と書類を見つめた後、ため息をついて肩を落としていました。これまで頑張っていた心がポッキリと折れてしまった瞬間を見てしまった気がします。

次の日から佐藤くんが会社に来ることはなくなり、無断欠勤をするようになりました。

パワハラされにくい人の仕返し方法

佐藤くんが退職した後に、新人の加藤くん(仮名)が採用されました。

さっそく課長は加藤くんに自分の仕事を押し付け始めたのですが、加藤くんはそれをキッパリと断っていました。

課長は「上司に向かってその態度は何だ!」と怒鳴っていましたが、加藤くんは淡々と「自分の仕事は自分でしてください」と正論を述べていました。

加藤くんは仕事でわからないことがあった場合、同僚に聞いたり私に聞いたりして課長に借りを作らないようにしていたのが印象的でした。

一度加藤くんに「課長に言い返してすごいね」と伝えたら、「あいつ調子に乗ってるんですよ。弱みを見せたら絶対につけこんでくるタイプですね」と言っていました。

その言葉通り、加藤くんは課長が理不尽なことを言えば正論で返し、理不尽に怒られたらキレ返すという強気な姿勢を貫きました。

その結果、課長はいちいち仕返ししてくる加藤くんと関わること自体を避けるようになりました。

パワハラは相手が抵抗しないことを確信すると、どんどんエスカレートしていきます。加藤くんのように理不尽なことには猛然とNOを突きつけることが、パワハラをやめさせる有効な手段の1つです。

パワハラが起こる原因と対策

パワハラが起こるのは、上司がさらに上の上司からかけられるストレスが原因の1つです。

パワハラをしていた課長は、部長から「部下よりも契約を多く取れ」という圧力をかけられていましたし、部下の成績が悪いと「課長の教育が悪いからだ」と責められる立場でした。

そのストレス解消のはけ口として自分より弱い立場の部下に当り散らし、精神的なバランスを取ろうとしていたのかもしれません。

上司も部下も課長に意見しなかったので、パワハラはどんどんエスカレートしていきました。

私も一度だけ課長に意見をしましたが、「事務員の分際で口出しするな」と逆切れされただけだったので「言うだけ無駄だ」という結論に至りました。

何十年もその性格でいる人を言葉で変えるというのは難しいです。

私が若い時はこういう人に対して「自己中心的過ぎる」「間違っている」「許せない」という気分になって、自分の視界に入るたびにストレスを感じていました。

しかし、「この人はそういう人なんだ」と割り切ることが大切な対策です。相手を変えるよりも自分の考え方を変えるようにしたほうが簡単にストレスを減らすことができます。

パワハラされることに慣れてしまった他の部下の人は「また始まった」という感じで受け流すようにしていました。

しかし、性格的に受け流せない人や、自分では対応できないほどのパワハラの場合、会社や裁判に訴えるメリットとデメリットを調べてみました。

パワハラを訴える方法とメリット・デメリット

パワハラを訴える方法とそれに対するメリット、そうすることによって起こるデメリットを紹介します。

パワハラを訴える方法

パワハラを訴える方法は、まずは客観的な証拠や記録を残すことから始めます。

  • ICレコーダーや携帯電話で会話を録音
  • ノートに記録(日付・場所・内容・感じた事)
  • 病院の診断書(うつ病や傷害など)

証拠を集めたら、本人に証拠があることを伝えて直接やめるように直訴しましょう。それでもやめない場合はパワハラをしている人の上司や管理者、本社、労働組合に相談します。

社内で解決しない場合は、会社に対してパワハラの被害申告と中止を求める「通知書(申し入れ書)」を内容証明郵便または特定記録郵便で送付しましょう。同時に損害賠償請求もする場合は弁護士に相談するのがおすすめです。

しかし、自分の立場が弱い人の場合、たとえば営業職で成績が悪い場合は辞めてもらった方が会社にとってメリットになるため対応してもらえない可能性があります。その場合は法的手段で裁判または労働裁判を行います。

裁判に頼らずに解決したい場合は、全国の労働局や労働基準監督署にある「総合労働相談コーナー」という無料相談窓口を利用する方法もあります。都道府県労働局長の助言・指導や、紛争調整委員会のあっせんを行っています。

パワハラは基本的に民事の問題とされますが、悪質な場合は刑事事件として警察に訴えることも可能です。暴力があった場合は「傷害罪」や「暴行罪」、精神的な攻撃は「名誉毀損」や「侮辱罪」、義務のないことを強要されたら「脅迫罪」に問われる場合があります。

パワハラを訴えるメリット

パワハラを訴えるメリットとして、相手に「社会的制裁」を与えることができます。

問題を起こした代償として、加害者は会社から部署の移動や降格処分、最悪は懲戒免職を言い渡される可能性があります。

「泣き寝入りせずに相手にやり返す」ことによってパワハラの悪化や、今後の再発を防ぐ事が可能です。

パワハラ裁判に勝訴した慰謝料の相場は50万円~100万、多くて300万円前後を相手に請求できるので、相手に経済的制裁を与えることもできます。

パワハラを訴えるデメリット

パワハラを訴えるデメリットとして、その後会社に在籍しにくくなる可能性があります。

実際にパワハラやセクハラを会社に訴えた同僚もいましたが、その後は周りから「被害者意識がすごい人」とか「要注意人物」として腫れ物のように扱われていました。

パワハラの内容が万人を納得させられるケースではない場合、会社にとって爆弾のような存在として扱われ、重要な仕事も与えられずに出世コースから外される可能性もあります。

退職する報復として裁判を起こす場合も、転職活動に影響がでる場合があります。

大手企業ほど、以前勤めていた会社で問題を起こしていないかどうかの調査をしているので、パワハラで裁判を起こしたという事実がその後の転職活動の負担になる可能性があるのです。

慰謝料をもらったとしても、これから働く年数によってはデメリットのほうが大きくなってしまいます。

パワハラでうつ状態になった新人のその後

 

佐藤くんは課長のパワハラが原因で、仕事を無断欠勤するようになってしまいました。

彼が無断欠勤をすることなんて今まで一度もなかったので、連絡できないほどの精神状態になっていたのかもしれません。

誰が連絡をしても電話を無視されるため、課長が私に「佐藤が自分から連絡するように手紙を書いてくれ」と頼んできました。

「なんて都合のいい要求なんだ」と思いつつ、私は佐藤くんに以下の内容の手紙を書きました。

  • 佐藤くんが仕事を頑張っていたことを見ていた
  • 今の職場は佐藤くんの頑張りを無駄にしてしまう
  • 転職した方が佐藤くんの才能を活かせると思う
  • 自分も今の職場を資格を取って辞めるつもり

私は佐藤くんにとって、今の職場で働き続けることはもったいないと思っていました。真面目でやる気もあるのに、上司がそれを自分の都合でつぶしてしまっていたからです。

その職場ではパワハラされるのが当たり前という雰囲気があり、それを一個人の力で変えるのは難しいと感じていました。給料も安く、従業員に不利な条件ばかり増えていくので、私は見切りをつけて「資格を取って転職するためのつなぎにしよう」と考えるようになりました。

そんなぶっちゃけた内容を手紙に書いてしっかりと糊付けし、何も知らない課長に手紙を渡しました。その後、佐藤くんからすぐに退職の申し入れの連絡が来たそうです。

パワハラの理想的な仕返し方法

佐藤くんが退職してから4ヶ月ほど経った頃、手土産を持って佐藤くんが笑顔で職場に現れました。

突然の訪問に課長と私はビックリしました。課長が嫌みったらしく「今はどうしてるんだ?ニートか?」と佐藤くんに聞くと、「おかげさまで今は○○に転職して働き始めました」と嬉しそうに答えました。

○○という会社は有名な大手企業で、うちの会社に仕事をくれる重要な元請けでもありました。「給料も1.5倍になって待遇もすごくいい」と自慢する佐藤くんに課長の顔はどんどん引きつっていって、そそくさといなくなりました。

当時の様子を聞いてみたところ、佐藤くんが無断欠勤していた時は誰とも話したくない欝状態で、「仕事に行かなきゃ」とずっと考えていたのに体が動かなかったそうです。

改めて手紙のお礼を言われ、「あの時仕事をすぐに辞めたから転職のチャンスをつかむ事ができた」と話してくれました。

課長から毎日パワハラをされていた時の愛想笑いではなく、心から仕事に充実感を感じている佐藤くんの笑顔を見て、「私も早くこの職場を辞めよう」と決心しました。

今思うと、佐藤くんの転職はパワハラに対する理想的な仕返し方法だったと思います。

その後、私も無事資格を取得して転職し、収入を1.6倍以上にアップさせることができました。

まとめ

仕事でパワハラにあったら直接戦う方法や受け流す方法がありますが、関わらずにさっさと逃げるほうが精神と時間のロスを防げる場合もあります。

一度うつ病になってしまうと完治することはないので、その後の仕事にずっと支障が出る可能性があります。自分の思い通りに体や心が動かなくなるのはとてもつらいことです。

嫌いな人によって人生を台無しにしたり、やりがいもなく「仕事に行きたくない」と毎日思いながら働く時間はもったいないです。

私は転職を何回もしていますが、職場によって嫌な人は1人はいます。

できるだけ関わらずに意識して済む場合もありますが、同じ仕事をするチームでどうしても関わらずにはいられない場合もあるので、上の人に言っても改善しない場合はさっさと逃げて転職した方がいいと思います。

やりたい仕事をするためには、業界で需要のある資格を取得することが転職のフットワークを軽くできるのでおすすめです。

私もパワハラにあったことはあります。その上司に対してやり場のない怒りを感じたり、圧力をかけられるたびにストレスで過食に走ったり、我慢して稼いだお金を散在したりしていました。

しかし、その仕事を辞めてしまえば「あんな人いたなぁ」という程度の過去になります。

パワハラにはいろんな対策がありますが、自分の人生を楽しく生きる事を第一に考えてみてはどうでしょうか。仕事を辞めることは逃げではなく、よい選択に繋がる1つの方法だと思います。

\ 猫野きなこ✕ジョブシフトの創作漫画です。 /

 

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この記事を書いた人

猫野

猫野きなこ

 

猫2匹と暮らしながら趣味でお絵かきしてるライターです。

ブログでは過去の体験談を漫画に描いたり、ダイエットレシピを公開しています。

ブログ:きなこ猫のスッキリ生活

Twitter:@kinako22neko