転職先を選ぶなら、誰しもホワイト企業への転職を望むものですが、改めてホワイト企業とはどんな企業か問われた場合、皆様は正確に答えられる自信はあるでしょうか。

ホワイト企業へ転職を果たすにはホワイト企業に対する正しい見識をもち、数ある求人の中からホワイト企業を正確に見つけ出すことがその第一歩となります。

そこで、この記事ではホワイト企業の定義について紹介すると共に、転職サイトの求人情報や転職エージェントを通じて紹介される求人の中からホワイト企業を見抜く方法やポイントなどについて詳しくご紹介して参ります。

人によっても定義が違う?ホワイト企業の定義とは?

ホワイト企業かどうか見抜くためには、ホワイト企業とは何かを正確に理解しておくことがまず必要です。
そこでホワイト企業の定義を確認しておきましょう。

ホワイト企業の定義(出典:人事労務用語辞典)

ホワイト企業について「人事労務用語辞典」では次のように紹介されています。

「ホワイト企業」とは、社員に劣悪な環境での労働を強いる企業を指す「ブラック企業」の対義語。
社員の待遇や福利厚生などが充実し、数ある企業の中でも働きやすさにおいて特に優れている企業、という意味合いで使われる言葉です。

この内容からわかるとおり、ホワイト企業は「ブラック企業の対義語」であることは明示されていますが、具体的な条件が何かについては「待遇や福利厚生などが充実」、「働きやすさにおいて特に優れている」等あいまいな表現に留まっており、明示されていません。

そもそも「働きやすさ」とは主観的な評価です。

同じ会社であっても、「働きやすい」と感じる社員がいたり、「働きにくい」と感じる社員いたりしても不思議ではありません。
つまり、ホワイト企業かどうかは個人的な価値観や感じ方によって異なってくる場合があるということです。

自分にとってのホワイト企業は何かの基準をはっきりさせること

ではホワイト企業を選別するにはどうすれば良いかですが、その際に必要になってくることは「自分にとってのホワイト企業とは何か」をはっきりさせることです。

例えば「休日出勤があっても、必ず代休を取らせてくれるなら働きやすい企業だ」と考える方なら、「必ず代休を取得できる企業」がその人にとってのホワイト企業の定義(の一つ)になってきます。
あるいは「月10時間を超える残業は絶対に嫌だ」という方なら、「月の残業時間数が10時間以下」がその方のホワイト企業となります。

この点を曖昧にしたまま求人情報を調べても、ホワイト企業が何かがはっきりしていない以上ホワイト企業を見つけ出すことなど不可能です。
ホワイト企業への転職を望むなら、転職サイトや転職エージェントを利用する前に自分にとってのホワイト企業とは何かを明確にしておくことが大切です。

ホワイト企業の見抜き方・転職サイト編

転職サイトと転職エージェントでは、ホワイト企業の探し方や見抜き方は異なります。
そこで転職サイトと転職エージェントを分けて、それぞれどのような手順でホワイト企業を見抜けば良いかを説明します。

まずは転職サイト(※)からご紹介しましょう。
(※「転職サイト」とは、求人情報をサイト利用者へ提供することだけを目的としたサイトのことです。
個別に求人を紹介したり、転職サポートしたりといった人的なサービスは提供していません。そうした個別サービスを提供するのが「転職エージェント」となります。)

ステップ1:求人数が充実している転職サイトを選ぶ

転職サイトを利用してホワイト企業を選び出すためにまずやるべきこととは、「求人数が充実している転職サイトを選ぶ」ことです。

転職サイトはどこでも良い訳ではありません。
分母となる求人数が少なければそれに比例してホワイト企業の求人数も少なくなりますので、求人数が充実している転職サイトを選ぶことが第一歩となります。

ただし、求人数が多い転職サイトの中には「ハローワーク」の求人情報も合わせて検索できるサイトもありますので注意が必要です。
ハローワークは求人掲載料不要の上厳しい審査もありませんので、ブラック企業が求人媒体として利用しているケースが数多く見られます。

勿論ハローワークの求人全てがブラック企業ということではありませんが、ブラック企業が紛れ込んでしまう確率が高まりますので、ハローワークの求人も同時検索できる転職サイトは避けた方が無難です。

つまり単体での求人数が充実している転職サイトを選ぶことが大切です。

ステップ2:ブラック企業を検索結果から弾き出す

「ホワイト企業=ブラック企業以外の企業」であることは間違いありません。
そこで転職サイトからいきなりホワイト企業を見つけ出そうとするのではなく、検索条件でヒットした求人の中からまずブラック企業を除外することが次のステップとなります。

ホワイト企業よりブラック企業を見分ける方が容易だからです。
ブラック企業の見分け方ですが、次のようなチェック項目に該当したらブラック企業の可能性大です。

長期間にわたり同じ内容で求人広告を掲載し続けている

同じ内容で求人広告を掲載し続けている企業とは求人を募集しても人が集まらない、もしくは採用に至ってもすぐに辞めてしまい定着しないのどちらかです。
人が集まらない、もしくは定着しない企業は少なくともホワイト企業ではありません。

勤務条件が悪い、もしくは職場環境や雰囲気が良くない等、何らかの問題を抱えている企業と考えて間違いないでしょう。

破格の高額年収”例”を紹介している

堅実な企業であれば採用時にトラブルが生じないよう、広告で年収例を出す場合には正直に自社の「実績」で年収例を紹介するものです。

一方ブラック企業は正直に自社の勤務条件や待遇を言ってしまえば人が集まらないため、例えば「20代で年収1千万円も可能!」等現実的とは言えないな高額年収を「例」としてよく紹介しています。

また、虚偽での求人広告は法律に触れることになりますので、「可能!」といった逃げ口上できるあいまいな言葉を使って紹介する点もブラック企業ならではの特徴です。

応募要件が精神論主体になっている

中途採用は通常「即戦力の求人」が求められますので、人材の応募要件については新卒の募集要項以上に詳しく、具体的に明示されることが普通です。

ところがブラック企業は「こき使える人材であれば誰でも良い」と考えています。
つまり職務上の経験だとか能力は不要で、激務に耐えられる気力や体力があれば良い訳です。

その結果、ブラック企業の応募要件には中途採用であっても職務経験や資格、学歴などに対する具体的な要望がない代わりに、「やる気」だとか「根性」、「精神力が大切」といった体育会的精神論に基づいた要件が表現されることになります。

従って「やる気があれば大丈夫」といった精神論ばかりが主体となっており、応募要件に具体性がない求人広告を出している企業もブラック企業の可能性がとても高いと言えます。

福利厚生や残業時間、年間休日数などの情報で具体性がない

誠実な企業であれば例えば「年間休日数はたっぷり」といったあいまいな表現はせず「年間休日数124日以上」等、具体的な数値と共に情報を正確に出そうとするものです。

ブラック企業は福利厚生や休日、残業時間などの情報は正直に出せないため、できるだけ曖昧な表現でごまかそうとします。

求人広告で福利厚生や休日、残業に関する情報を具体的に提示していない企業は仮にブラック企業ではなかったとしても誠実な企業とは言えませんので、除外対象とすべきです。

ステップ3:ネット上で調査を行う+実際に職場へ足を運んでみる

ブラック企業の可能性が高い求人を除外したら、後は自分なりのホワイト企業の基準に照らして求人情報の絞り込みを行えば良い訳ですが、仮に絞り込んだ求人に対する評価が本当に正しいかどうかは、転職サイト上の情報だけで確証を得るのは困難です。

そこで二つの方法を使って、絞り込んだ求人への評価が正しいかどうかを検証することが重要な最終ステップとなります。

ネット上の口コミサイトで悪い情報がないか調べる

一つはネット上の企業に対する口コミサイトなどを利用して、悪いうわさや情報がないか丹念に調べることです。

ネット上の掲示板は匿名が基本であり信頼性が高いとは言えません。
しかしながら感情的な誹謗中傷ではなく、例えばパワハラで裁判が生じているといった情報であれば裏を取ることができる、つまり事実かどうかを確かめることができます。

裏が取れる悪い情報を発見したらブックマークしておき、事実かどうかを調べることもホワイト企業を見抜く上で大切な取り組みなのです。

実際に訪問してみる

もう一つの方法は実際に訪問してみることです。

応募する前に見学を申し込んでも断られる場合もありますので、例えば求人企業の近くにある施設を調べておき、その求人企業を訪ねて施設までの行き方を教えてもらうという方法があります。

そうすれば短時間であっても、職場内の様子を見ることができますし、道を訪ねてきた人物に対する対応を通じてホワイト企業かどうかも評価できます。

道を尋ねてきた知らない人物であっても、優良企業であれば迷惑そうな対応や冷たい対応は決してしないものです。
そうした対応をするようであればホワイト企業の可能性は低いと判断して良いでしょう。

以上の通り、ネット検索を行って情報の裏取りを行うことも、実際に訪問することも手間はかかりますが、より確実にホワイト企業を選び出すためであればこうした手間を惜しんではなりません。

ホワイト企業の見抜き方・転職エージェント編

転職エージェントを通じた求人の紹介であればブラック企業は避けられる・・・と考えたいところですが、残念ながらそうではありません。

ブラック企業を紹介してしまわないよう対策に取り組んでいる転職エージェントは増えており、以前よりブラック企業が紹介されてしまうケースは減りつつありますが、対策には温度差がありますので、完全に解消している状況とは言えないのです。

また、ブラック企業も巧妙化しており、転職エージェントのチェックをすり抜けて登録を果たしているケースも見受けられますので、転職エージェントが紹介してくれる求人であっても「絶対大丈夫」とは言えないのです。

そこで、転職エージェントから求人紹介を受ける場合には対策として次のような取り組みを行うことをオススメします。

担当のコンサルタントに必ず質問し、回答を得る

転職エージェントを通じて求人を紹介してもらう最大のメリットは、求人企業について事前に根掘り葉掘り質問できることだと言えます。
この長所を利用しない手はありません。
転職エージェントから求人を紹介してもらった際、次のような情報が不明な場合にはエージェントへ質問し、必ず回答を得るようにしましょう。

コンサルタントへ確認すべき質問事項

  • 社員の平均在職期間
  • 採用後3年以内の平均退職率
  • 平均残業時間数
  • 有給休暇取得率
  • 代休未消化率
ES(従業員満足度)調査実施の有無

これらの質問についてどれだけ正確な数字や情報で返答してくるかも、ホワイト企業かどうかを判別するのに役立ちます。
具体的な数値で詳細に回答してきたということであれば、数値に対してそれだけ自信がある企業であり、同時にそうした数値に関心をもって調査している企業でもあります。
そうした数値に関心を持ってしっかりと調べている企業はホワイト企業である可能性が大変高いと言えます。

職場見学を要請し、実際に見学する

転職エージェントを通じた求人であれば、職場見学を申し込むこともできます。
質問した事項について具体的な数字を回答してきた求人企業であっても、職場を実際に見学しないことにはホワイト企業と100%断定はできません。
やはり実際に自分の目で確かめることが、ホワイト企業を見抜く上で大切な取り組みとなってきます。

職場見学の際にチェックしたい項目

最後に職場見学した際にチェックしておきたい項目をご紹介しておきます。
中には求人企業側の了解を得なければチェックできない項目もありますが、転職エージェントを通じて交渉を行い、可能な限りチェックさせてもらうよう努めてください。

従業員のタイムカード

長時間残業している実態はないか、休日はちゃんと取得できているか

従業員の表情

活き活きとしているか、時おり笑顔などが見られるか

従業員向けの福利厚生サービスのガイトや案内書

従業員向けに福利厚生サービスの利用を促そうとしているか

会社内に掲示されている貼り紙

(精神論や根性論に終止していないか

社員用の休憩、団欒スペースの有無

社員の気分転換や息抜きにも配慮をしているか