

介護の仕事には夜勤がつきもの、と思われがちですよね。でも実は、夜勤なしで働ける介護の職場はたくさんあります。
この記事では、夜勤ができない、あるいはしたくない介護士さんに向けて、夜勤のない職場の種類と仕事内容、給与の目安、休日の傾向を紹介します。求人の探し方や、面接で確認したいポイントもまとめました。
【この記事で分かること】
- 夜勤がない介護の職場の一覧
- 夜勤なしの職場の仕事内容や給与
- 夜勤がない職場の探し方と注意点
結論:通所・訪問系か「日勤のみ」の働き方を選べば夜勤なしは実現できる
先に結論をお伝えします。夜勤なしで働くなら、デイサービスやデイケアなどの通所系、訪問介護などの訪問系の職場を選ぶのが近道です。入所施設でも、日勤だけの雇用形態で働ける職場があります。
ただし、夜勤手当がない分、入所施設で夜勤をする場合と比べると給与は下がりやすくなります。収入と働きやすさのバランスを考えて、自分に合う職場を選びましょう。
介護士でも夜勤なしで働ける職場一覧

介護の業界では夜勤のある職場が多く、夜勤のできる介護士は貴重な戦力とされています。一方で、年齢や体力、家庭の事情から、夜勤が難しい介護士もたくさんいます。
夜勤なしで働ける主な職場を表にまとめました。
| 職場 | どんなサービス? | 夜勤 | 休日の傾向 |
|---|---|---|---|
| デイサービス(通所介護) | 日帰りで食事・入浴・レクリエーションなどを提供 | なし | 営業日による(日曜休みが多い) |
| デイケア(通所リハビリテーション) | 日帰りでリハビリを中心としたサービスを提供 | なし | 営業日による |
| 訪問介護 | 利用者の自宅で身体介護や生活援助を行う | 基本なし(事業所による) | シフト制や曜日固定など |
| 訪問入浴介護 | 専用の浴槽を持ち込んで自宅で入浴を介助 | なし | 営業日による |
| 放課後等デイサービス | 障害のある子どもが放課後や休日に通う | なし | 日曜休みが多い |
| 入所施設の日勤専従 | 特養や有料老人ホームなどで日勤だけを担当 | なし | シフト制 |
なお、小規模多機能型居宅介護は「通い」に加えて「泊まり」のサービスもあるため、夜勤がある職場が多いので注意しましょう。それぞれの職場の特徴を、くわしく見ていきます。
デイサービス(通所介護)
デイサービスは、自宅で暮らす高齢者が日中だけ通って過ごすサービスです。昼間だけのサービスなので、夜勤はありません。
主な仕事は、利用者の送迎、健康チェック、体操やレクリエーションなどの機能訓練、食事の提供です。必要な方には、入浴やトイレの介助も行います。
休日は、デイサービスの休業日によって変わります。土日祝日が休業日の事業所なら、介護士も土日祝が休みです。日曜日だけが休業日の場合は、日曜日に加えて、シフトで決められた平日が休みになります。
デイサービスで働く介護士の仕事内容や1日の流れは、こちらの記事でくわしく紹介しています。
デイケア(通所リハビリテーション)
デイケアも、自宅で暮らす高齢者が日中に通うサービスです。こちらも昼間だけなので、夜勤はありません。
送迎や健康チェック、食事、入浴やトイレの介助を行う点はデイサービスと同じです。大きな違いは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士によるリハビリテーションが行われることです。
立ったり歩いたりする動作の訓練や、関節が硬くならないようにする訓練など、より専門的なリハビリを提供します。医療的な視点が求められる場面が多いため、デイケアの利用には主治医の判断が必要です。介護士は、リハビリ職と連携しながら利用者の生活を支えます。
リハビリの知識を身につけたい人や、医療職と一緒に働きたい人に向いているでしょう。
訪問介護
訪問介護は、利用者の自宅を訪ねて、身体介護や生活援助を行うサービスです。日中の訪問が中心で、基本的に夜勤はありません。
ただし、注意したい点があります。事業所によっては、早朝や夜間、深夜の時間帯にもサービスを提供しているのです。また、夜間に定期的に巡回したり、通報を受けて駆けつけたりする「夜間対応型訪問介護」や、24時間体制の「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」は、夜間の勤務が前提になります。
夜勤を避けたいなら、応募する前に、その事業所が夜間や深夜のサービスを行っているか、自分がその時間帯に入る可能性があるかを確認しておきましょう。
働き方は、正社員などの常勤と、空いている時間に働く登録型(パート)に分かれます。常勤の場合は、シフトで勤務日と休日が決まります。登録型の場合は、「〇月〇日〇時から〇時」と訪問の予定が組まれ、それ以外は自由な時間です。
訪問介護では、サービス提供責任者として、ケアの計画づくりやヘルパーの調整を担う道もあります。くわしくはこちらの記事をご覧ください。

訪問入浴介護
訪問入浴介護は、専用の浴槽を積んだ車で利用者の自宅を訪問し、入浴を介助するサービスです。看護職員と介護職員がチームで訪問するのが一般的です。日中のサービスなので、夜勤はありません。
浴槽の運び入れや入浴介助など体力を使う場面はありますが、チームで動くため、一人で抱え込まずに済むのが特徴です。
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスは、障害のある小学生から高校生までの子どもが、放課後や夏休みなどの長期休みに通うサービスです。子どもが対象の日中のサービスなので、夜勤はありません。
主なサービス内容は次のとおりです。
- 学校や自宅との送迎
- 健康チェック
- おやつや食事の提供
- 自立した生活に向けた訓練(着替え、掃除、料理、コミュニケーションなど)
- 創作活動(工作、書道、絵画など)
- 地域との交流(施設見学や地域行事への参加など)
- 安心して過ごせる居場所づくり
高齢者介護とは分野が異なりますが、トイレや食事の介助など、介護士として身につけた技術を生かせる場面は多くあります。職種によっては資格の要件があるため、求人で応募の条件を確認しましょう。休日は、事業所の休業日やシフトによって決まります。
入所施設の日勤専従
特養や有料老人ホームなどの入所施設でも、日勤だけを担当する働き方を用意している職場があります。パートや契約社員の求人が多いものの、正社員として日勤のみで働ける職場もあります。
入所施設で身体介護の経験を積みながら、夜勤を避けたい人に向いているでしょう。ただし、正社員の場合は「夜勤もできること」が条件になっている求人も多いため、日勤のみで働けるかどうかは必ず確認してください。
職種を変えて夜勤なしで働く方法
介護の経験を生かしながら、職種を変えることで夜勤なしの働き方を選ぶ方法もあります。日中の勤務が中心の主な職種を紹介します。
| 職種 | 主な仕事 | 必要な資格・経験の目安 |
|---|---|---|
| 生活相談員 | 利用者や家族の相談対応、関係機関との調整 | 社会福祉士などの資格(自治体によっては介護福祉士なども認められる) |
| ケアマネジャー | ケアプランの作成、サービス事業所との調整 | 介護支援専門員の資格(実務経験を積んで受験) |
| サービス提供責任者 | 訪問介護の計画づくり、ヘルパーの調整 | 介護福祉士や実務者研修修了など |
| 福祉用具専門相談員 | 車いすや介護ベッドなどの選定・説明 | 指定講習の修了など |
| 介護事務 | 介護報酬の請求、受付や書類の管理 | 資格は必須ではないが、関連資格があると有利 |
現場の介護から少し離れることになる職種もありますが、介護の現場を知っていることは大きな強みになります。体力的な負担を減らしながら、長く介護業界で働きたい人には検討する価値があるでしょう。
デイサービスで働く介護士の1日(例)
夜勤なしの職場の働き方をイメージできるよう、デイサービスの1日の流れを一例として紹介します。
| 時間 | 主な業務 |
|---|---|
| 8:30 | 出勤、朝礼、送迎ルートの確認 |
| 9:00〜10:00 | 利用者の送迎(お迎え) |
| 10:00〜12:00 | 健康チェック、入浴介助、体操 |
| 12:00〜13:00 | 昼食の配膳と食事介助、口腔ケア |
| 13:00〜15:00 | 職員の休憩(交代)、レクリエーション、機能訓練 |
| 15:00〜16:00 | おやつ、帰りの準備 |
| 16:00〜17:00 | 利用者の送迎(お送り) |
| 17:00〜17:30 | 記録の作成、片付け、翌日の準備 |
日中に業務が集中する分、時間内にやることは多めです。それでも夜は自宅でしっかり休めるため、生活のリズムを整えやすい働き方といえます。
夜勤なしの職場の給与の目安
厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、処遇改善加算を取得している事業所で月給・常勤で働く介護職員の平均給与額(令和6年9月)が、サービスごとにまとめられています。
| サービスの種類 | 平均給与額(月額) | 夜勤 |
|---|---|---|
| 訪問介護 | 349,740円 | 基本なし |
| 通所リハビリテーション(デイケア) | 319,310円 | なし |
| 通所介護(デイサービス) | 294,440円 | なし |
| (参考)介護老人福祉施設(特養) | 361,860円 | あり |
| (参考)全体 | 338,200円 | ― |
この金額は、基本給に各種手当と、賞与などの一時金を月あたりに換算した額を加えたものです。手取りの額ではありません。
夜勤のある入所施設と比べると、デイサービスの給与は低めの傾向があります。夜勤手当がないことが、差の理由の一つです。一方で訪問介護は、夜勤がなくても比較的高い水準になっています。
夜勤なしで働くメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 生活リズムが整い、体調を崩しにくい | 夜勤手当がない分、収入が下がりやすい |
| 家族と過ごす時間を確保しやすい | 正社員の求人は、夜勤ありより少なめ |
| 土日休みの職場もある | 送迎やレクリエーションなど、日中の業務が忙しい |
| 夜間の少人数体制による精神的な負担がない | 入所施設の夜間ケアの経験を積みにくい |
夜勤は給与が高いなどのメリットがある一方で、体や心への負担は小さくありません。今の自分にとって何を一番大切にしたいかを考えて選ぶことが大切です。
夜勤なしでも収入を増やす方法
「夜勤はしたくないけれど、収入は減らしたくない」という人もいるでしょう。夜勤なしでも収入を伸ばすには、次のような方法があります。
- 資格を取る:介護福祉士などの資格手当がつく職場が多い
- 役職を目指す:デイサービスの管理者や、訪問介護のサービス提供責任者になると手当がつくことがある
- 職種を広げる:経験を積んで、生活相談員やケアマネジャーを目指す
- 処遇改善に積極的な事業所を選ぶ:処遇改善加算を取得し、職員にしっかり配分している事業所を選ぶ
特にケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護福祉士などの資格を持ち、一定の実務経験を積むと受験できます。日中の勤務が中心のため、夜勤なしで長く働きたい人にとって目標にしやすい仕事です。
夜勤なしの介護求人の探し方
夜勤のない職場を効率よく見つけるには、次の方法を組み合わせましょう。
- 求人サイトで条件を絞り込む:「夜勤なし」「日勤のみ」の条件で検索し、施設の種類でも絞り込む
- サービスの種類から探す:デイサービスや訪問介護など、もともと夜勤のないサービスを中心に探す
- 転職エージェントに相談する:日勤のみの正社員求人など、条件に合う求人を紹介してもらう
- ハローワークを活用する:地元の事業所の求人が多く、窓口で条件を相談できる
- 今の職場に相談する:同じ法人内のデイサービスへの異動や、日勤専従への変更ができないか聞いてみる
面接で確認しておきたいこと
「夜勤なし」と書かれた求人でも、実際の働き方は事業所によって違います。面接では、次の点を確認しておきましょう。
| 確認すること | 質問の例 |
|---|---|
| 勤務時間 | 「早番・遅番はありますか?最も遅い退勤時間は何時ですか?」 |
| 夜間の対応 | 「夜間や深夜のサービス、緊急時の呼び出しはありますか?」 |
| 休日 | 「休業日はいつですか?年間休日は何日ですか?」 |
| 送迎 | 「送迎の運転業務はありますか?」 |
| 将来の働き方 | 「今後、夜勤への移行を求められることはありますか?」 |
特に、正社員として入職したあとに「夜勤もお願いしたい」と言われるケースもあります。入職前に、日勤のみで働き続けられるかをはっきり確認し、労働条件通知書などの書面でも確かめておきましょう。
夜勤なしの職場に移った介護士のケース(架空の例)
ここでは、夜勤なしの職場に転職した人の例を紹介します。いずれも説明のための架空のケースです。
ケース1:特養からデイサービスに移ったAさん(30代)
特養で働いていたAさんは、出産を機に夜勤との両立が難しくなりました。子どもの保育園の送り迎えに合わせられるよう、日曜休みで8時30分から17時30分まで働けるデイサービスに転職します。
夜勤手当がなくなった分、収入は少し下がりました。それでも生活リズムが整い、家族と夕食をとれるようになったことに満足しているそうです。
ケース2:訪問介護でサービス提供責任者を目指すBさん(40代)
Bさんは体力的に夜勤が厳しくなり、日中のサービスが中心の訪問介護事業所に転職しました。面接で、夜間や深夜のサービスがないことを確認したうえでの決断です。
利用者一人ひとりとじっくり関われる働き方にやりがいを感じ、今は介護福祉士の資格を生かしてサービス提供責任者を目指しています。
夜勤なしの職場選びチェックリスト
- 夜勤がないサービスの種類を選んでいる
- 早番・遅番の時間と、最も遅い退勤時間を確認した
- 夜間や深夜のサービス、呼び出しの有無を確認した
- 休業日と年間休日を確認した
- 夜勤手当がない場合の収入を計算した
- 将来、夜勤への移行を求められないか確認した
夜勤なしの介護職に関するよくある質問
Q.夜勤なしでも正社員として働けますか?
働けます。デイサービスや訪問介護など、もともと夜勤のないサービスなら正社員の求人も多くあります。入所施設で日勤のみの正社員として働ける職場もありますが、数は限られるため、条件をよく確認しましょう。
Q.夜勤なしの職場は未経験でも働けますか?
デイサービスなどは、未経験から始めやすい職場の一つです。ただし訪問介護で身体介護を行うには、介護職員初任者研修以上の資格が必要です。
Q.夜勤なしにすると、どのくらい収入が下がりますか?
夜勤手当の額や回数によって変わります。今の給与明細で、夜勤手当が月にいくらになっているかを確認すると、おおよその差が分かります。資格手当や役職手当で、その差を補える場合もあるでしょう。
夜勤なしの介護職まとめ
介護の仕事でも、夜勤なしで働ける職場はたくさんあります。デイサービス、デイケア、訪問介護、訪問入浴、放課後等デイサービス、そして入所施設の日勤専従など、選択肢は意外と豊富です。
夜勤には給与が高いなどのメリットもありますが、体や心への負担は大きなものです。夜勤のない職場で働くなら、サービスの種類と勤務時間、夜間の対応の有無をよく確認して選びましょう。求人を探すときは「夜勤なし」「日勤のみ」の条件で絞り込み、面接でも働き方をしっかり確かめておくと安心です。