Iターン転職とは自分の故郷で就職した方が、東京や大阪などの大都市圏を除いた地方県へ転職することを言います。

言葉の意味としては簡単ですが、Iターン転職を成功させることはそれほど容易なことではありません。

東京や大阪と異なり、地方では求人数そのものが限られるからです。

そのような中、Iターン転職を成功させた方々はどのような理由でIターンを志向し、どのように転職を成功させたのでしょうか。

ここではIターン転職を成功させた方々の理由をランキング形式でお伝えすると共に、Iターン転職を成功させる方法について、事例をもとにご紹介して参ります。

Iターン転職した理由ランキング・ベスト10

Iターン転職を実行した方はどのような理由からIターン転職に至ったのか・・・

当サイト編集部においてIターン転職を果たした約100名の20代から50代の現役社会人の方々を対象にアンケート調査を実施したところ、次のような結果が得られました。(2017年3月段階・複数回答可))

・1位:地域経済や産業の活性化に貢献できるから (25%)

・2位:自然環境が豊かな地域で生活したいから (24%)

・3位:自分がやりたい仕事がその地域の地場産業だったから (22%)

・3位:移住先がとても好きだったから・好きになったから (22%)

・5位:都会暮らしが嫌になったから、疲れたから (19%)

・6位:子供の教育環境として良いと考えたから (17%)

・6位:地元自治体や転職先から住居を格安で提供してもらえたから (17%)

・8位:その地域に知人または支援者がいたから (16%)         

・9位:農業に取り組みたかったから (14%)

・10位:生活したことがない地域で暮らしてみたかったから(12%)

※その他(選択肢10項目で計34%)

Iターン転職の理由は一つの決定的理由からではなく複合的な理由から

Iターン転職の理由ベスト10をご紹介しましたが、順位ではなく率(%)に注目してみてください。

例えば1位の「地域産業の活性化に貢献できるから」と2位の「自然環境が豊かな地域で生活したいから」の差はわずか1%です。

第5位の「都会暮らしが嫌になったから、疲れたから」と1位の比較でも、その差は8%しかありません。

また第10位までのランキングは全て二桁を超えていることから、Iターン転職を実行された殆どの方が何か決定的な理由が一つだけあったのではなく、複数の理由が重なってIターン転職に至ったと見ることができます。

大きくは「仕事」と「地域での生活」が二大理由

当アンケートでは様々な角度から20項目にわたる選択肢を用意していたのですが、それら項目はある程度ジャンルで分けることができます。

例えば1位の地域経済や産業、3位の地場産業、9位の農業は主には「仕事」や「労働」といったジャンルとしてまとめることができまし、2位の自然環境、3位の移住先が好き、5位の都会暮らしが嫌、6位の子供の教育環境、10位の生活したことがない地域といった選択肢は「(地域での)生活」というジャンルでひとまとめにできます。

つまり、ベスト10となったIターン転職の理由を大きなジャンルの括りでみた場合には、
「地域での仕事」と「地域での生活」がIターン転職の二大要因となったことがわかります。

「ライフスタイル追求系」の理由は少ない

地域での仕事や生活以外では

・自分の趣味に取り組める地域だから

・ワークライフバランスを充実させたいから

・自分本意の生活スタイルを追求できるから

といった「ライフスタイル追求系」の選択肢も用意していたのですが、これらライフスタイル追求系の選択肢は回答率が何れも低迷しました。

こうしたライフスタイル追求系の選択肢は、「Iターン転職を希望する理由」について尋ねたアンケートでは代表的な理由の一つになっています。

ところが本アンケートでは「Iターン転職を実際に果たした方」が対象となっています。

つまりIターン転職を希望している方と実際に果たした方の考え方の違いが「ライフスタイル追求」という面で大きく表れた結果となりました。

ライフスタイル重視でIターン転職を検討してみたものの、ライフスタイルの追求がIターン転職を実現させるだけの強い動機にはなりにくいようです。

従ってIターン転職を実現させるなら、自分のライフスタイルの追求だけを目的にするのではなく、Iターン先での仕事や生活においても積極的な動機を見つけることが大切だと言えます。

Iターン転職をどのように果たしたか・成功者が語るその方法とは

Iターン転職を果たした方はどのような方法を利用してIターン転職を実現したのか、その方法について成功者の方々が実践した方法をご紹介します。

利用度ナンバーワンは「ハローワーク(インターネットサービス)」だが・・・

Iターン転職を果たした方々へのアンケートを通じてわかったことは、ほとんどの方が複数のルートや方法を通じて転職先探しに努めていたということです。

その方法として全ての方が利用したと回答していたのが、ハローワークのインターネットサービスです。

ハローワークインターネットーサービス

ハローワークは無料で求人情報を登録できますので、中小零細企業を含めた特に地方の企業の利用度が高いことで有名です。

しかしながらハローワークの欠点として、無料で登録できることからそれほど求人意欲がない企業や人材は必要としているものの、正社員を雇える体力がない企業、場合によってはブラック企業などが登録されている場合も少なくありません。

そのため、ハローワークをメインに転職活動を行ったという方は限られていました。

Iターン転職を果たしたほとんどの方はハローワークを利用していたものの、サブでの求人情報収集という位置付けに留めていた方が多かったようです。

地域密着型の転職エージェントと大手総合転職エージェントを併用

Iターン転職を果たした方が利用したものとして、ハローワークに次いで多くの方が回答していたのが「転職エージェントの活用」です。

転職エージェントの活用方法として特徴的だった点は、一社に絞って利用していたケースが殆どなく、大半のIターン転職成功者が複数の転職エージェントを利用していたということです。

その組み合わせで最も多かったのがリクルートエージェントやDODAといった大手総合転職エージェントと、Iターンを志向している県に密着して転職支援サービスを行っている地元の転職エージェントという組み合わせです。

この理由として、それぞれ次のような理由があげられます。

大手総合転職エージェントを利用した理由

・大手であれば地方にも支店や拠点などを有しており、地方であっても求人企業とのネットワークを有していることが期待できるから

・東京や大阪等の大都市圏の企業で経験を積んだ人材を欲している地方の求人企業が好んで利用しているから

地域密着型の地元転職エージェントを利用する理由

・地域に根ざしているため、地元企業に精通していることや地元での強固なネットワークを有していることが期待できるから

・地域経済の活性化を重視している経営者は総合エージェントより、地元転職エージェントを利用している場合が多いから

要はそれぞれに強みがあることと、求人企業の立場で考えた場合にはニーズの違いから両方の転職エージェントではなく、どちらか一方を選んで利用している可能性が十分考えられるからです。

両方の転職エージェントを利用すれば求人情報としての網が広がることが期待できるため、大手と地元の両転職エージェントを特に利用している方が多かったという訳です。

Uターン・Iターン専門の転職エージェント「リージョナルキャリア」を活用

大手総合転職エージェントより利用者数は限られていましたが、大手総合エージェントでもなく、地元のエージェントでもない、第三の転職エージェントとして名前があがっていたのが「リージョナルキャリア」です。

リージョナルキャリア

リージョナルキャリアとはUターン・Iターン転職に特化した転職エージェントであり、近年急成長を遂げています。

一部の意見として、紹介が受けられる求人数や地域、職種において偏りがあるといった指摘もありました。

しかしながら、地方企業は数が限られていますので、リージョナルキャリアでなくともIターン先として検討している地方の求人数が少なかったり、募集されている職種が偏っている場合は多少避けられない現象とも言えます。

利用者の中には「転職エージェントの中で一番良かった」と評価する声もありましたし、Uターン、Iターン専門の転職エージェントとしてノウハウを築いてきた企業ですので、Iターン転職を目指している方にとっては十分検討に値するエージェントと言えます。

ニッポン移住・交流ナビの活用

地方県への転職情報というより「田舎への移住を実現」することをメインコンセプトとして一般社団法人移住・交流推進機構が各自治体と協力しながら運営しているサイトが、「ニッポン移住・交流ナビ」です。

ニッポン移住・交流ナビ

こちらのサイトを利用したという方は、緑に囲まれた生活環境や田舎暮らしを実現したいという生活環境重視型のIターン転職者や、地域経済活性化に貢献したいというIターン転職者の方々が数多く利用していました。

「地域おこし協力隊」を募集しているのはニッポン移住・交流ナビ

ニッポン移住・交流ナビではプロジェクトとして「地域おこし協力隊」を募集しています。

地域おこし協力隊とは主に過疎化が進んでいる地域自治体の有期雇用職員となって、地域のPRや街興しイベントの企画、運営などに携わる仕事を行う臨時スタッフのことです。

有期雇用であるため、Iターン先の地域へ「正社員として転職」ではなくなりますが、地域経済や産業の活性化に直接貢献できる上、地元自治体が住居を無料で提供してくれるなど、その期間内はかなり恵まれた条件で働くことができます。

その点に着目し、実際地域おこし協力隊としてIターン転職し、地域おこし協力隊の任期期間中に当該地域での起業や就職先探しを行う予定という方もいました。

地域経済に貢献したいという意欲を持ってIターン転職を検討している方にとっては、地域おこし協力隊への応募も一つの有力な選択肢になると言えそうです。

Iターンしたい県内エリアの各自治体HPによる情報収集

Iターン転職を果たした方々が異口同音に「重視していた」と答えていたのが、Iターン転職を目指した地域の自治体ホームページです。

地方自治体は住民の高齢化や人口減少に悩んでおり、ほぼ例外なく自治体地域への移住促進政策へ取り組んでいます。

自治体がホームページなどを通じて提供している「住まい」や「補助金を通じた移住時の生活支援」に関する政策情報は決して軽視できません。

いくつか具体的な事例を紹介しますと、例えば北海道三笠町では家賃を最大3万円、60ヶ月にもわたって支給してくれるという制度があります。

福岡県芦屋町の場合なら民間の賃貸住宅を借りた場合、最大72万円を補助してくれます。

仕事の面では宮城県南三陸町の場合、新規就農者に最長5年間、年間150万円を支給してくれる制度などもあります。

住居費や仕事支援の他、医療費支援を行ってくれる自治体もあります。

例えば北海道の南富良野町は、地域に住む子供が大学を含めて就学中であるなら通院も入院も22歳まで医療費の個人負担分を町が肩代わりしてくれます。

例えばIターン転職をした結果、年収だけを考えればダウンとなってしまう場合でも、こうした自治体の支援策によって生活費の支出が大きく緩和されることで、生活面では苦しくならないどころか、逆にゆとりが生まれる場合すらあります。

つまりIターン転職では転職先の年収だけで生活設計を考えるのではなく、地方自治体の生活支援策を加味した上で検討することが大切なのです。

尚、こうした情報は各自治体のホームページだけでなく、さきほどご紹介した「ニッポン移住・交流ナビ」でも紹介されていますので、両者を並行して活用すれば自治体による魅力的な移住促進策をより発見しやすくなります。

Iターン転職は職場探しだけでなく、「住」を中心とした生活環境の確保も同時並行で取り組んでゆかなければなりません。その際、頼りになるのは地元の不動産屋ではなく、移住促進を熱心に推めている地元の自治体なのです。

地方自治体が提供している移住者への支援策情報にもアンテナをはって、積極的に情報収集することがIターン転職成功の鍵となります。