男性保育士を取り巻く現実|割合や給料、転職についても解説!

男性保育士_転職_給与_現実

保育士不足もあって男性保育士の参加を望む声は高まっていますが、職員の多くが女性で占められている保育施設では、まだまだ男性保育士を受け入れる体制が整っていません。

今回は需要は増えているものの未だ厳しい現実に置かれている男性保育士の事情や給料、転職などについて解説していきます。

男性が保育士の割合はどれくらい?

男性保育士_現実_割合

保育士における男性の割合はアンケートや調査によって微妙に変わるものの、概ね3~4%程度と言われています。つまり大半が女性です。

保育士になる方法は女性も男性も同じですから、普通に考えれば半分が男性保育士になるのも難しくありません。

しかし、現実問題として日本ではまだまだ保育をするのは女性という先入観があるので、男性保育士が増えるにはまだ時間がかかるでしょう。

男性保育士の人数、割合の推移

ちなみに2002年は1,000人にも満たなかった男性保育士ですが、2012年には約10,000人、2017年には16,000人以上と2002年の約16倍になっています。

この伸び率だけ見れば男性保育士の人数は大幅に増えているものの、2017年の調査によると女性保育士はそれを遥かに上回る約236,000人となっています。

保育士全体の割合でみれば、やはりたったの数%程度しかいないということになります。

ちなみに保育士と同じように女性の割合が多い看護師でも、男性は全体の約10%程度いますから、男性保育士の割合がいかに少ないかが分かります。

これだけの割合しかいなければ男性用の更衣室がなかったりトイレがなかったり、保護者が男性保育士に対して馴染めないというのもしょうがないのかもしれません。

男性保育士が働いている施設の割合

ちなみに男性保育士が働いている保育施設は全国で約4%です。

園長が男性の保育施設を加えれば割合は上がりますが、それでも60%以上の保育施設では男性保育士が働いていないのが実情です。

男性保育士を取り巻く労働環境の現実

まだまだ世間の理解がない

保護者の男性保育士に対する理解がないと、たとえばおむつ替えをしているだけでクレームがくることもあります。

また、業務の一環として女の子と遊んでいても「娘に何をする気だ」と怒られたり、男が担任はおかしいから変えてくれと言われるようなケースも多いようです。

保育士の大半が女性なので環境が整っていない

保育施設で働く人はほとんどが女性ですから施設の作りも女性用になっていたり、男性は着替える場所がなかったり、休憩時も話す人がいなかったりします。

また、前述した通り日本ではまだまだ女性が保育をするものという先入観があるので、同じ保育士の中ですら男性というだけで女性保育士から冷遇されるケースもあるようです。

決して楽とは言えない保育士の仕事をするうえで、スムーズに働ける環境が整っていないのは、男性が保育士になるのを難しくしている要因でしょう。

 

女性の多い職場なので苦労が多い

女性保育士からすると更衣室がなくても男性は気楽に着替えられると考えますが、実際男からすれば女性の多い職場で着替えをするのは想像以上に気を遣うものです。

また、女性には派閥が出来やすく、保育士の多い職場だとトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。

特に最近ではちょっとしたことでもセクハラと騒がれたりするため、女性保育士との距離感や話す内容に関して相当な気を遣うという男性保育士も少なくないようです。

また、愚痴を言い合う男性の同僚もいないので、人によっては孤独感や疎外感から保育士を辞めてしまうこともあるそうです。

もちろん女性も女性が多い職場では苦労をしますが、男性保育士は女性だらけの職場で苦労が多いです。

 

男性保育士の雇用形態について

大半が正社員で働いている

男性保育士の雇用形態は、ほとんどが正社員となっています。

ある調査では、女性保育士の正社員の割合は5割程度なのに対し、男性保育士は約9割が正社員で働いているので、雇用形態における労働環境としては男性保育士の方が優遇されていると言えます。

保育士に限らず一般的な業種でも言えることですが、女性の場合は結婚や出産などライフステージによって働き方が変わるので、最初は正社員として働いていたとしてもライフステージが変わることでパートや非正規社員になる人が多いです。

一方、男性はライフステージで働き方が変わるということはないので、1度正社員として働けばそのままの雇用形態で働き続けます。

 

男性保育士の需要について

母親と父親にはそれぞれ役割があるように、保育士も女性保育士と男性保育士は役割が違います。

基本的な保育においての役割はどちらも同じですが、女性保育士は園児の身の回りの世話をしたり、健康管理をしたりするのが得意という方が多いでしょう。

一方、男性保育士がいれば防犯面に役立ちますし、重たい物を運んだり園児と思い切り遊んだり、体力的な面で頼ることができます。

家庭で母親と父親が違う役割を果たしているように、保育施設であっても男性保育士がいることでそれぞれの得意なことを活かした役割を果たすことが可能です。

男性保育士にとっては働きづらい環境が多いかもしれませんが、男性ならではの役割があるので今後も需要はさらに伸びていく可能性が高いのです。

 

保護者によっては抵抗感がある人もいる

もともとが女性メインの職場ですから、初めて男性保育士を知った保護者からは、いわれのない偏見を持たれることもあります。

特に保護者対応は女性保育士でも苦労するぐらいですから、偏見というフィルターをかけて男性保育士を見ている保護者からは、普通の保育であっても行動を細かくチェックされることもあるようです。

もちろん、こういった職場しかないということではなく、きちんとした保育施設では事前に保護者に男性保育士を紹介したり、男性保育士をいるメリットを伝えたりして、働きやすい環境を整えてくれます。

男性保育士がいれば防犯という点でも安心ですし、女性では難しい元気の良い男子園児の相手をしてくれるというのは保護者にとっても有り難いことです。

実際、保護者からの男性の理解を得るための環境作りをしている施設も増えているので、今後は保護者からの抵抗による働きづらさは改善されていくでしょう。

男性保育士の給料(年収)の相場について

男性保育士_現実_給料

平成30年度の賃金構造基本統計調査によると、男性保育士の平均給与は約26万円、年間賞与は約77万円となっています。

年収は380万円ぐらいになるので、大企業よりは劣るとしてもそれほど低賃金ではありません。

独身男性であれば十分なお給料ですし、家族を養うにしても共働きを検討すれば特に問題のない年収だと言えます。

ただ給与の不満で辞める人も多い

ただし、統計上の数字は良くても実際の仕事量とお給料のバランスで考えると十分とは言えないのが実情のようです。

保育士は子供の保育以外にも事務作業やイベントの企画発案、会議、イベント準備などたくさんの仕事があるため残業が非常に多い職業です。

残業代がもらえれば問題ありませんが、保育施設ではサービス残業が常態化しているため、仕事量に見合ったお給料がもらえないと感じている保育士は少なくありません。

とはいえサービス残業に関しては待遇の見直しを始めている保育施設も増えていますし、お給料は働く場所によっても変わりますから、転職などによる違いが大きいと言えるでしょう。

男性保育士が年収アップする方法

男性保育士は、女性保育士と比べると正規職員の割合が多いので年収は高くなりますが、仕事の負担や同年代の男性の年収と比較すると高いとは言えないのが現状です。

保育士の待遇改善政策はあるものの、それだけに頼っていても大幅な年収アップは見込めません。待遇を改善するには、自分から行動することも必要です。

では、具体的に年収アップのためにはどんな行動をすれば良いのか、詳しくご説明します。

キャリアアップで役職を目指す

厚生労働省による保育士の処遇改善政策の目玉となるのが処遇改善等加算Ⅱです。

これまでの保育施設の役職は、園長と主任保育士の2つしかないのが一般的でしたが、処遇改善等加算Ⅱは副主任保育士と専門リーダー、職務分野別リーダーなど新たな役職を設けています。

新しく中堅役職を作ることで、より多くの保育士が役職につきやすい環境が整えられたので、保育士であっても管理職を目指せば給与アップに繋がります。

中核リーダーや専門リーダーになれば月額4万円の手当がもらえるので、年収に換算すると48万円もアップします。

副主任保育士や専門リーダーなど役職につくための研修を受けるには条件もありますし、マネジメントや職務分野などいくつかの研修を修了する必要もありますが、キャリアアップをしていけば年収も確実にアップするのでぜひチャレンジしてみましょう。

スポーツインストラクターなどの資格を取得する

環境や生活の変化により、子供の体力低下が問題になっています。これを受けて、子供の体を動かすプログラムを取り入れる保育施設が年々増加しています。

そこで需要が高まっているのが、スポーツインストラクターなどの資格を持つ運動保育士です。

もともと保育園や幼稚園では鉄棒や跳び箱などの運動をさせるプログラムがありますが、スポーツの知識がないとうまく指導出来ません。

もちろん体を動かすことが目的なので逆上がりが出来なくてもいいのですが、最初は出来なくても頑張って出来るようになる、という達成感を味わうことは教育上とても大切なことです。

スポーツインストラクターであれば、どこに力を入れるか、どの部分を勢いよく動かすかなど、各運動に適した指導ができるので需要も高まっています。

最近は幼児のスポーツに力を入れている保育施設が増えていますから、スポーツインストラクターの資格を取っておけば、資格手当による年収アップが期待できます。

公立保育園など待遇の良い求人案件を探す

厚生労働省が平成28年に調査した私立保育園と公立保育園の給与を比べると、私立は月給が約22万円でボーナスは約60万円、年収は約330万円となっていますが、公立は月給が約32万円でボーナスは約170万円、年収は約560万円となっています。

平均年齢は私立が36歳、公立は45歳なので10歳の差があるものの、それでも年収は約230万円も公立の方が高いのです。

このことから分かるように、私立の保育施設で働いている方は公立の保育園に転職するだけで収入アップが見込めます。

公立保育園の中には建物が古く遊具も揃っておらず、お給料が安そうに見えるところも多いですが、定期昇給があるので長く勤めればしっかりお給料が上がります。

ただし、私立保育園は普通の企業と同じく実力主義で、主任保育士や副主任保育士など役職がつけば高額な給与も狙えます。

いずれにしても、働く施設によって年収は違うので、待遇の良い求人案件を探して転職をすることで確実な年収アップに繋がります。

転職サイトの非公開求人を狙う

もっとも手軽に年収をアップしたいという方には、転職サイトの非公開求人を狙うのがおすすめです。

非公開求人というのは特定の人材だけを募集する求人案件で、その分給与や福利厚生などが高待遇になります。

一般の求人媒体で募集をかけてしまうと求める人材以外の応募が殺到してしまうので、採用側は余分な仕事が増えることになります。そこで募集条件を満たしている人しか応募できないように、転職サイトの会員だけが閲覧できる非公開求人で募集をかけるのです。

男性保育士の場合だと、スポーツインストラクターの資格を持っている人もしくはそれに準ずる資格や経験がある人などの募集が多いです。

中には、資格を持っていなくても高待遇の案件もあるので、一般の求人媒体で探すよりも効率よく年収をアップできます。

また、転職サイトにはエージェントによう転職活動のサポートサービスがあるので、希望条件に見合った求人案件を紹介してくれたり、条件交渉をしてくれたり、何かと頼れます。

登録も利用も完全無料ですので、まずは1度相談してみるといいでしょう。

男性保育士は将来性は?

既婚男性はもちろん独身男性であっても仕事は一生続けるものですから、将来性があるかどうかはとても重要です。

いくら保育士として働きたいと思っても、将来性がなければ諦めるしかないと考える方もいるのは当然のことです。

ここでは男性保育士には将来性があるのか、ということについてご説明します。

結婚や出産で退職しない男性保育士の需要は高い

保育業界で働いているのは9割以上が女性なので、結婚や出産、育児で退職したり、長期間休暇を取ったりしても、臨時職員や保育補助で補うのが当たり前となっています。

しかし、ただでさえ保育士が不足している状況の中では、女性保育士のライフステージの変化による人手不足に柔軟に対応するのは、非常に難しくなってきています。

普通の募集でも保育士が集まらない状態ですから、一時的な雇用条件ではほとんど応募がないのは当然です。

保育士不足はいまだに解消のめどがたっていないので、保育施設側としては離職や休職のリスクを少しでも下げるために、男性保育士の雇用に力を入れています。

施設側化すれば男性保育士であれば、結婚しても相手に合わせて仕事を辞めることはありませんし、出産で休むことはありません。

また、父親の役割を担ってくれる男性保育士の必要性も徐々に認知されていますから、将来的に保育士不足が解消されたとしても、他業種と同じく一定の需要が求められるでしょう。

よって、将来的には社会的地位の向上も将来性も十分に期待できます。

男性が少ない職場だからこそ希少価値がある

保育業界では男性保育士を求めているのに、働き手がいない状況が続いています。

普通の職種は、求人募集を出せばいくらでも男性からの応募がありますが、保育施設の場合は採用人数に満たないのが実情です。

男性保育士の割合は全体の4~6%しかいないことからも分かるように、保育業界は男性が圧倒的に少ないので、その分希少価値が高いのです。

必要とされる男性保育士が少ない現状を踏まえれば、今後男性保育士への待遇は確実に良くなっていくので将来性は非常に高いと言えるでしょう。

仕事における男性保育士ならではのメリット

男性保育士に関しては、働く環境が整っていなかったり働きづらかったり、いろいろな問題はあるものの、悪い点ばかりではありません。

保育施設で働く男性だからこそ得られるメリットもあるのです。

男性だからこそ頼られることが多い

仕事をする上で、頼られるのは大きなやりがいになります。普通の仕事であれば新人で入社した場合は「期待しているよ」と言われても頼られることはありません。

ですが、保育施設は女性ばかりの職場なので、力仕事など女性に負担が大きい作業に対しては男性は即戦力として頼られます。

新人は覚えるのが仕事ですし、最初はミスや失敗も多く、落ち込んだり辞めたくなったりすることも多いですが、最初から即戦力となれる仕事があるのは保育施設ならではのメリットです。

男性保育士は働きづらい面ばかりフィーチャーされますが、実際に働いてみると、周りの保育士からはとても頼りにされますから、思っているよりもやりがいがあって働きやすいのです。

年中や年長の園児からの人気が高い

年中や年長の園児はとにかく体力があるので、女性保育士では遊びに付き合うのにとても体力を使います。

そのため、遊んでいる途中でギブアップしてしまうことも多く、子供からすると物足りないとなってしまいます。

しかし、男性保育士はしっかり相手が出来るので、園児からの人気がとても高いです。子供が主役の職場ですから、園児から人気があれば園長や上司のうけもいいですし、より働きやすい環境になります。

また、園児の人気が高いと保護者からの偏見がなくなるというメリットもあります。

数が少ない男性保育士に対しては、保護者の理解がなかなか得られなかったり理不尽なクレームが来たりすることがありますが、自分の子供が好きな先生に対して文句を言う親はいません。

男性保育士がいてくれて良かった、ありがたいと思われることの方が多いでしょう。

もちろん、園児から好かれることは楽しく働くための第一条件でもあるので、最初から好かれる要素を持っているのは男性保育士の大きなメリットです。

男性保育士の給与や転職まとめ

男性保育士を取り巻く職場環境や労働条件は課題が多く、一般の求人媒体ではため息が出るような待遇の案件しか見つからないことも多いかもしれません。

しかし、需要は確実に高まっていますし男性保育士の必要性もどんどん認知されてきていますので、転職方法さえ間違わなければやりがいのある職場は必ず見つかります。

どんな事業者でも登録できるハローワークなどはブラックが多いのですが、審査やブラックと判明すれば掲載停止になる転職サイトであれば男性向けのホワイトも多いです。

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