ニュージーランド移住体験|気候は日本に似てるが文化は違う


ニュージーランドと聞いてすぐに思い浮かぶのは羊がたくさんいる国。
それからラグビーのニュージーランド代表オールブラックスがやたらと強いことでしょうか。

私もニュージーランドに赴任する前は、そのぐらいの知識しかありませんでした。
しかし、いざニュージーランドでの生活が始まると、思っていたよりずっと暮らしやすい国だと感じると同時に、文化の違いも痛感させられたのです。

海外に移住するなら四の五の言わずに飛び出していく勇気はきっと必要なのでしょう。しかし、だからといって事前のリサーチをおろそかにしていいはずがありません。

ニュージーランドを移住先に考えるなら、旅行で訪れるのとは違う、ごく当たり前の毎日のことを知ってほしい。そんな気持ちでニュージーランドでの生活について紹介したいと思います。

ニュージーランドの気候は四季があるので日本人に馴染みやすい

ニュージーランドは日本と同じく南北に細長い国。とはいえ南半球の国なので、北へ行くほど気温は高くなり、南へ行くほど低くなります。北海道と沖縄が逆になった感じですね。

当然のことながら四季も正反対なので、夏は寒く冬は暑い。クリスマスシーズンには近所のスーパーマーケットに巨大なサンタクローズのオブジェが設置されましたが、海パン姿で小脇にサーフボードを抱えていました。

私が住んでいた南島のクライストチャーチ市は、赤道からの距離が青森から函館あたりと同じぐらい。冬は30度ぐらいまで気温が上がる日もありますが、そのわりに湿度が低く、日陰に入ると驚くほどヒンヤリするんですよね。おかげでクーラーがなくても乗り切ることができました。

夏は青森や函館の冬と同様に、底冷えがするほど寒くなります。
おまけにニュージーランドではごく普通の家である築50年超えの木造住宅に住んでいたので、気密性なんて皆無で隙間風は入り放題。
それなのに暖房器具はパワーのない電気ヒーターしかなかったので、厚手のセーターを着込んでしのいだものです。

でも、これが南島ではごく普通。初年はシモヤケができましたが、翌年からは体が順応したのかまったく平気でした。寒さが苦手な人は北島に住むことをおすすめします。

ニュージーランドの物価は安い?高い?

海外移住をするなら、日本より物価の安い国で悠々自適に暮らせたら最高ですよね。しかし、物価という観点で見るかぎり、残念ながらニュージーランドは全然安くありません。オークランドのような大都市ともなると、家賃は日本円で平均7万円前後は覚悟する必要があります。

それに、食品なども日本の水準より高くつくものだらけ。乳製品が安いイメージがありますが、それすら例外ではありません。アイスクリームが信じられないほど美味しいのは間違いありませんが、価格は日本のほうが安いぐらいです。

ここ数年は海外からの移住者が増加していることも影響し、物価は上昇するばかりなのだとか。20年前は1NZドルが50~60円ぐらいだったのに、現在は80~90円と見事なまでのNZドル高が進んでいます。

ニュージーランドの税金

日本の消費税と似た役割の税金を、ニュージーランドではGST(Goods and Services Tax)と呼びます。このGSTの税率ですが、なんと15%も課せられているんですね。しかし日本と違って表示方法のほとんどが内税のため、GSTを15%も払っている感覚があまりありません。

また、旅行とは違って移住の場合は所得税のことも考える必要があります。会社に雇用されている場合は源泉徴収されますが、個人で収入を得る場合は毎年4月に前年分の確定申告――Tax Returnの手続をすることになります。税率は所得によってスライドし、10.5%~33%。これは会社勤めでも個人でも同じです。

移住の場合は固定資産税(Rates)や自動車税(Rates of Motor Vehicle)も支払わなければなりません。私は賃貸に住んでいたので固定資産税を払う必要はありませんでしたが、車は所有していたのでACC課税という自動車事故によるケガの治療費のための税金も合わせて納めなければいけませんでした。

なんだかんだでけっこう税金を支払わなければいけないのは、結局のところ、どこの国に住んでいても同じなんですよね。

ニュージーランドは本当に治安の良い国?

世界の治安ランキングではいつも上位に入るニュージーランド。日本より上位ですが、私の感覚的には「えぇ!?そうかなぁ?」という感じです。

アメリカのような銃を使った犯罪がとても少ないのは事実ですが、空き巣やスリ、車上荒しがやたらと多かったんですよね。現に私も車上荒しの被害にあい、カーステレオ一式を盗まれてしまいました。日本ではそんなこと一度もなかったのに・・・。

道を歩いているだけで人種差別主義者のニュージーランド人から酷いことを言われるなんてしょっちゅうだったし、空き缶を投げつけられたこともあります。そういった行為がいつ暴行や傷害事件に発展するかわかりません。私は幸いにも巻き込まれずに済みましたが、実際にそのような事件はちらほらと起きていました。

ものすごく牧歌的な地方の町ならいざしらず、少なくともオークランド、ウェリントン、クライストチャーチといった人口が密集した都市部では、治安について絶対に過信するべきではありません。

ニュージーランドの食べ物って美味しいの?日本食は手に入る?

日本人が主食にしている短粒米は普通にスーパーで売っています。価格は日本より高めですが、味はいたって普通のお米。お鍋で美味しく炊くことができます。

肉はさすが欧米人の国。ゴロっとキロ単位の塊で販売されていることが多いでしょうか。牛肉は霜降りとは無縁のザ・赤身というお肉が主流なので、しっかり叩いて柔らかくしないと噛み切れないことも。

余談ですが、レストランでステーキを食べるとき、レアを頼んでもほぼ間違いなくミディアムになります。ウェルダンなんて炭の一歩手前。ニュージーランド人にとって肉を生っぽく食べる感覚がないからです。

野菜は生のままで食べるより、加熱したほうが美味しいです。言い換えると生ではいまひとつ美味しくないというか・・・。どうしてもキャベツの千切りを食べたくなった時は芽キャベツを買いました。ちょっと青臭さはありますが柔らかくて生でも食べやすく、日本で買うよりずっと割安なお助け食材です。

しょう油も普通にスーパーで購入できますが、値段だけで選ぶのは失敗のもと。日本人の味覚ではしょう油と思えない味が多いからです。私は多少割高でも味に間違いのないオーストラリア産のキッコーマンを買っていました。

ニュージーランド人と日本人は感覚が違う

ニュージーランドで仕事をするうえで一番戸惑ったこと。それは時間の使い方が違うことでした。私たち日本人にとってその日の仕事が片付かなかったら残業するのは普通のことですよね。しかし、ニュージーランド人にとっては違います。

よほどのことがない限り自主的に残業はしませんし、たとえまだ仕事が終わっていなくても、友人宅でパーティーがあるからと帰ってしまうのは普通のことなんです。

では基本的に怠け者なのかといえば、そんなことはありません。ニュージーランド人は早寝早起きで、週末のたびに芝刈りをしたり塀にペンキを塗ったりと、かなりマメに働いています。要するに、仕事のために私生活を削る概念がないのでしょう。

そんなわけで最初の頃は勤務態度に唖然とすることもありました。しかしニュージーランド人と日本人の感覚には違いがあることを理解してしまえば、文化の違いは溝にはなりません。これがいわゆる「郷に入っては郷に従え」ということではないでしょうか。

まとめ

仕事を得てニュージーランドに渡るまで、私は自分が日本人であることを強く意識したことはありませんでした。しかし、ニュージーランドという外国で暮らし、仕事をする中で日本の文化をとても誇りに感じることができたのです。
これは嬉しい誤算であり、海外へ移住したことで得られた大きな収穫の一つであることは間違いありません。

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