紹介予定派遣の実態とは※正社員になれない?知っておきたいデメリット


直接雇用を前提とした派遣の働き方「紹介予定派遣」。派遣で働きながら正社員への切符を手にすることのできる、派遣から正社員を目指す方にはうってつけの制度です。

正社員になれる前提での派遣なんてすごくいいじゃないか!僕は紹介予定派遣から正社員になるぞ!

ちょっと待ってください。確かに紹介予定派遣は直接雇用を前提とした派遣ですが、必ず正社員になれるとは限りませんよ?
きちんとデメリットを知ってから行動しましょう。
え…?だって、紹介予定派遣ってそういう制度なんでしょ?なんで正社員になれない場合があるの?

ここでは、一見メリットばかりに思える紹介予定派遣の実態とデメリットに焦点を当てていきたいと思います。
紹介予定派遣の実態とは

●紹介予定派遣から直接雇用に至る確率は約50%
●直接雇用は正社員とは限らない
●つまりは選考に半年以上かかる社員募集

紹介予定派遣とは?

紹介予定派遣を簡単に言えば、「派遣期間終了後に(双方合意の上)社員として雇用すること」を前提とした派遣制度のことです。

正社員を目指す派遣社員の方からすれば夢のような制度ではないでしょうか。最初からいきなり社員ではないので仕事内容や社風が自分に合っているのか派遣の間に確かめられるし、企業側からしても最初は派遣で働いてもらうことで能力が足りない・社風に合わない者を社員として雇ってしまうリスクがなくなります。
紹介予定派遣のメリットとしては

●派遣期間があるので職場の雰囲気や人間関係、仕事内容が自分に合っているかどうか・パワハラなどがないかなど労働環境を確かめてから入社することができる。
●派遣期間中に自分の働きぶりをしっかりとアピールできる。
●企業側としても正規雇用する人材をしっかりと見てから採用することができ、ミスマッチが少ない。

このようなことが挙げられます。
では良いことばかりに思えるこの紹介予定派遣の制度のどこにデメリットがあるのでしょうか?

正社員になれない!?これが紹介予定派遣の実態~デメリット~


直接雇用を前提とした派遣の働き方「紹介予定派遣」。求職者側と企業側双方にメリットがあることは確かです。しかし果たして本当にメリットだけなのでしょうか?
実際のところ、本当にこの制度で派遣から正社員になれるのでしょうか?
ここでは皆さんの気になる実態とデメリットを深堀りしていきたいと思います。

デメリット1
直接雇用が「正社員」とは限らない

直接雇用を前提としているのは確かですがそれが「正社員」であるとは限りません。「契約社員」の場合もあることを頭に入れておかなくてはいけません。契約社員も直接雇用は直接雇用ですが、正社員とは雲泥の差です。求人票だけ見るとそんなに違いがないように思えてしまいますが、実際は契約社員は「一番不安定な雇用形態」であるとされています。安定を求めて紹介予定派遣に応募したのに結局ふたを開けてみれば派遣社員よりも不安定な雇用形態になってしまった…という事も無きにしも非ずです。直接雇用の雇用形態は充分にチェックしましょう。

デメリット2
6ヶ月派遣で働いた挙句、切られる可能性

紹介予定派遣は最初派遣社員として働く期間が設定されます。法律では6ヶ月以内です。派遣で働いた後めでたく社員になれれば良いですが、もしなれなかった場合は6ヶ月という長い期間を無駄にしてしまった事になりますし、6ヶ月経った時点でまた無職になってしまいます。正社員として働くのが目的ならば一つの企業を受けるのに半年もかけていることになり、とても非効率的です。派遣として働くのが目的で「あわよくば」正社員を狙うにしても最長6ヶ月という期限付きなのでもし採用されなかった場合は派遣社員としての契約更新もできず、また一から仕事を探すことになってしまいます。そしてこの期間中も自分の年齢は上がっていってしまします。年齢が上がると正社員としての転職にも不利になってしまいます。紹介予定派遣を2回繰り返すと1つ年を取ってしまう事も忘れてはいけません。正社員を目指すなら紹介予定派遣ではなく普通に転職する方が近道なのです。

デメリット3
そもそも数が少ない

アデコで求人検索すると、東京都の紹介予定派遣の求人数は865件、大阪府だけだと350件です。さらに区を指定すると一気に減り新宿区なら78件、大阪の北区なら52件しか出てきませんでした。全職種での検索結果なのでここからさらに希望の職種となると、通える範囲の求人は一体どれぐらい残るでしょうか?
ちなみにdodaでの正社員求人の数は東京都だけで21,799件、大阪府で6,642件です。新宿区で2,228件、大阪の北区で1,475件ありました。
正社員を目指すには求人の幅が広いほうがいいというのは当然のことです。選択の間口をこんなに狭めることを上回るメリットが紹介予定派遣にあるのかどうか、一度よく考えた方がよさそうです。

デメリット4
若くないと厳しい

ある人の体験では、派遣元に「紹介予定派遣に応募したい」と言ったところ「紹介予定派遣は若くないと厳しい」と言われたそうです。また別の人の体験では、30代後半のときに紹介予定派遣に100社以上応募したがすべて選考落ちになってしまったそうです。
企業側からすれば正社員を見込んでの募集なのでポテンシャル重視になってしまうことは否めません。20代と40代ではキャリアの違いはあれどやはり20代の方が圧倒的有利だというのが紹介予定派遣の実態であると言えるでしょう。

デメリット5
直接雇用まで時間がかかる

紹介予定派遣は一般の派遣よりも直接雇用を前提にしている分、選考が慎重です。面接や筆記試験がある場合もあり、まず紹介予定派遣での派遣期間にたどり着くまでに時間がかかります。さらにその後派遣期間が最長で6ヶ月もあります。そして直接雇用の合否結果はその派遣期間の終了後、つまりエントリーしてからは7か月~8か月ぐらい経っています。「選考が半年以上もの時間をかけて行われている」というのが実態です。

紹介予定派遣の口コミ・体験談

6ヶ月派遣で働いた後に思った人材ではないと断られました。(30代・女性)

紹介予定派遣で応募し6ヶ月間派遣で働いたあと「思っていた人材と違う」との理由で断られました。派遣期間の後に双方合意の上での正社員採用だったので断られる可能性も考えてはいましたが、実際の業務はこなせていましたし「真面目でやる気もある」との評価もいただいてたのでショックでした。半年間の頑張りが実を結ばず残念です。

周りには成功例はない(20代・女性)

派遣で働いていて、周りにもたくさん同世代の人がいますが紹介予定派遣はそもそも案件の数がとても少なく、紹介予定派遣から正社員になったよ~という人は見当たらないです。私自身もコーディネーターに紹介予定派遣を考えている旨を伝えると「紹介予定派遣は若い人しか無理」と言われたことがあります。

SNS(ツイッター)にあった紹介予定派遣の口コミ・体験談

紹介予定派遣が良かったというツイート

紹介予定派遣が上手く行かなかった人のツイート

ここに文章紹介予定派遣から正社員になれたという方、なれなかったという方どちらもいるようです。では次に、正社員になれる確率はどれくらいなのか解説していきたいと思います。

紹介予定派遣の実態とは?正社員になれる確率

紹介予定派遣により労働者派遣された労働者数の推移と
紹介予定派遣で職業紹介を経て直接雇用に結びついた労働者数の推移


一般財団法人 日本人材派遣協会

上記は紹介予定派遣で派遣された人数と紹介予定派遣を経て直接雇用に至った人数のグラフです。

紹介予定派遣で派遣される人数自体が2014年から減少傾向にあるのが分かります。
派遣法が改正され「無期雇用派遣」という新しい働き方が生まれたのも背景にあり、大手派遣会社テンプスタッフでも無期雇用派遣「ファンタブル」が登場し直接雇用をサポートするシステムが組まれています。これから一層紹介予定派遣よりも無期雇用派遣に注力される流れにあると言えるでしょう。

そしてもうひとつ注目したいのが「紹介予定派遣で派遣された人数」(青グラフ)「紹介予定派遣で直接雇用に至った人数」(赤グラフ)の差です。

直近の2016年を例に挙げてみると、紹介予定派遣で派遣された人数は27,079人。それに対して紹介予定派遣で直接雇用に至った人数は14,857人です。つまり紹介予定派遣で派遣された人のうち直接雇用に至ったのは全体の54%だということです。たった半分です。2016年がたまたま悪かったわけではなく、全体を通して50%前後の比率になっています。

紹介予定派遣で派遣されても、直接雇用に至るのは約半数。

しかもこれは正社員以外の契約社員などの雇用形態も含まれていますので、正社員登用はさらに少ないと考えられます。

これが紹介予定派遣の実態です。

紹介予定派遣は派遣から正社員を目指すとても良いシステムですが、デメリットを考慮せずに飛びつくのは危険です。

実態やデメリットもしっかり考慮した上でそれでもメリットが勝つと判断してから行動に移しましょう。

紹介予定派遣Q&A

Q.紹介予定派遣の流れは?

A.一定期間「派遣社員」として働く⇒派遣期間終了後、派遣社員本人と企業双方で互いの意思を確認する⇒合意となったら人材派遣会社を退職し派遣先企業の社員として雇用される。

Q.派遣期間って何?

A.紹介予定派遣の特徴的な点と言えるのが、「派遣期間」が派遣社員と求人企業の双方にとって「お試し期間」の役目を果たすという点です。

派遣社員は派遣社員として勤務している期間、その企業の職場環境や雰囲気、仕事内容等を実体験を通じて確認することができます。

企業側も面接や書類選考だけではわからない、仕事に対する姿勢や能力、人間性などを派遣期間を通じてじっくりと評価することができます。

言ってみれば、派遣と社員採用の中間的制度として位置付けられるのが紹介予定派遣です。

Q.派遣期間に定めはある?

A.紹介予定派遣に基づいた派遣期間は法律上「最長6ヶ月」と定められています。

つまり紹介予定派遣であるかぎり、6ヶ月を超えて派遣期間を延長することは法律上できないことになっています。

では6ヶ月未満の場合はどうかというと、この点においては特に法律上の定めはありません。

例えば2ヶ月であっても、3ヶ月であっても構わないということです。

Q.誰が期間を決めるの?

A.紹介予定派遣における派遣期間で特に大切になってくるのは「派遣会社」「派遣される本人」「求人企業」三者の合意です。

従って、6ヶ月を超えないことを前提に派遣期間を決定するのはその三者、正確に言えばその「三者の合意」であって特定の誰かだけの意志で決まるものではありません。

その上で、求人企業側がまず「4ヶ月」等の希望期間を派遣会社へ打診し、その条件に合意できる方が派遣会社を通じて紹介予定派遣として派遣されるという流れが一般的です。

つまり求人企業側が希望期間を発案し、それに則って紹介予定派遣が進めれる場合が多いのが実情と言えます。

Q.派遣期間は交渉すれば変更できる?

A.仮に3ヶ月という派遣期間を打診されて、それを2ヶ月にしたい、あるいは4ヶ月にしたいといった場合に交渉が可能かと言えば、「合意」が前提ですので勿論「イエス」です。

6ヶ月を超えない範囲では当事者同士の意志が尊重されますので、派遣期間について異なる希望があれば(派遣会社を通じて)交渉できますし、交渉の結果合意か得られれば期間を変更することもできます。

ただし合意が前提とお伝えしている通り、交渉は可能ですが求人企業側にも希望を拒否する権利はあります。

交渉した結果、期間が変更されるかどうかは求人企業側の意向次第でもあり、合意に至らなければ変更できないことになりますので、そのような場合には辞退という選択肢も含めて検討することになると言えます。

Q.派遣期間満了後に直接雇用ではなく派遣社員としてその企業で働ける?

A.法律論に則った説明をすれば、「紹介予定派遣としては」6ヶ月を超えて同じ派遣先の求人企業へ派遣社員として働くことは法律上できません。

「紹介予定派遣」での派遣は6ヶ月が上限となりますので、まずは紹介予定派遣契約を終了させることが先決です。

その上で改めて通常の派遣契約を派遣会社を通じて求人企業側とで締結してもらえれば、引き続きと言うより、改めてその企業で派遣社員として働くことが可能になってきます。

紹介予定派遣から正社員への道は厳しく現実的ではない

一見するとメリットばかりに思える紹介予定派遣。
「派遣から正社員になれる!」と夢見て応募する方も多いと思います。

しかし現実的に見てみると、正社員を目指すにしても、派遣で働くにしても、とても非効率的な方法だと思いませんか?

正社員として働くことが目的なら、その道は紹介予定派遣よりも転職活動の方がはるかに近道です。ひとつの企業に応募して合否決定まで半年以上もかかる紹介予定派遣は正社員への道としてはとても遠回りです。

その間にもあなたの年齢は上がり正社員への道が少しずつ狭いものになっていくのです。

正社員として働く前に派遣として働くことのメリットは確かにあります。社風や仕事内容の確認・人間関係や雰囲気が事前に体験できることは普通の転職活動では得ることのできない大きなメリットです。
企業と自分とのミスマッチを防ぐことはとても重要なことでしょう。しかしそうして時間をかけて自分に合う企業だと思ったとしても、そこから直接雇用に至るのは約半数に留まるのです。

軽い気持ちで応募することの多い紹介予定派遣ですが、メリットの他に様々なデメリットもあることを知っておくべきなのです。

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