産業保健師と行政保健師の違いは?福利厚生、仕事のきつさなど徹底比較

産業保健師と行政保健師、働くならどっち?年収やきつさ、福利厚生など徹底比較

保健師の働き方として人気の産業保健師と行政保健師ですが、働くならどっちがおすすめなのでしょうか。

当記事ではそんな産業保健師と行政保健師の年収や福利厚生の違いを紹介しつつ、仕事のきつさなど様々な点を比較していきますので参考にして下さい。

産業保健師と行政保健師を複数項目で徹底比較!

同じ保健師であっても職場によって年収や仕事内容、福利厚生などさまざまな違いがあります。

特に一般の企業に勤務する産業保健師と公務員として勤務する行政保健師では異なる項目が多く、自分のライフスタイルによって働きやすさがまったく違ってきます。

1つの項目だけで比較してしまうと他の項目が自分にとって合わないこともあるので、産業保健師と行政保健師それぞれの項目の違いをしっかり把握しておきましょう。

産業保健師と行政保健師の年収(給料)の違い

種類別の一般的なデータによると、産業保健師の年収は約600万円で給料は平均30万円、行政保健師の年収は約500万円で給料は平均25万円となっています。

つまり、基本的には産業保健師の方が年収面では優れていると言えるでしょう。

ただし、これらのデータはあくまでも平均になるため、産業保健師であれば勤務する企業の規模、行政保健師であれば勤務する地域や条件によって収入は大きく異なります。

たとえば求人情報をベースに産業保健師の年収をみると、保健師経験5年以上の場合、月収は35万円、年収は800万円という職場もあります。

東京都で働く行政保健師は1級だと月収191,000円ですが4級は333,100円となるので経験次第では産業保健師の平均以上の年収が見込めます。(※1)

産業保健師の方が給与水準が高いですが高収入を狙うのであれば両方の求人募集の内容をしっかりチェックした方がよいでしょう。

※1 参考URL:東京都人事委員会
https://www.saiyou.metro.tokyo.lg.jp/saisin_kyuuryouhyou.html

産業保健師と行政保健師の仕事内容の違い

保健師は、対象となる人の健康維持や促進など健康な体作りのためのサポートをするのが主な仕事で、これは産業保健師でも行政保健師でも変わりません。

しかし、行政保健師の対象は地域に住んでいる人、産業保健師は企業で働く従業員という違いがあります。

そのため、年齢に関しても違いがあり、行政保健師の場合は乳幼児から高齢者まで対象者の年齢幅が広い人を、産業保健師は20代から60代ぐらいまでの成人に限られています。

業務内容に関しては細かい部分でいろいろな違いがありますが、行政保健師は家庭訪問や虐待予防、介護予防、介護相談など業務の幅が広いです。

一方で産業保健師は従業員の健康のための労働環境の整備やメンタルヘルスケアなど、業務内容が従業員のことに特化しているという点が大きな違いといえます。

産業保健師と行政保健師の福利厚生の差

産業保健師の福利厚生は自社で提供する住宅手当や家賃補助、交通費、家族手当以外に、法定外福利厚生として外部サービスを導入されていることが多いのが特徴です。

法定外福利厚生では宿泊施設や旅行の割引プラン、介護支援、アニバーサリー休暇、昼食無料など多岐に渡ります。傾向として、プライベート時間に活かせる福利厚生が揃っています。

一方、行政保健師の福利厚生は地方公務員制度に則って、互助会が運営しています。(※1)

結婚祝い金や出産祝い金、弔慰金、災害見舞金など生活に即した福利厚生が充実しているという特徴がある反面、産業保健師のような法定外福利厚生はほとんどありません。

また、互助会への公費支出額は年々削減されているのが実情なので、福利厚生が充実している産業保健師とはかなり差があると言えます。

※1 参考元URL:総務省
https://www.soumu.go.jp/main_content/000606712.pdf

産業保健師と行政保健師の休日の差

産業保健師の職場は一般企業、行政保健師は市区町村役場や保健所、保健センターなどが職場となるので、休日に関しての差はほぼありません。

産業保健師が働くのは企業の医務室や保健室なので、サービス業でも商社でも職種に関わらず基本的に土日祝日が休みになります。

行政保健師も、基本的に公共機関で働くので土日祝日がお休みです。

夏期休暇や年末年始休暇に関しても、休暇の長さに大きな差はありません。差が出るのは産業保健師の法定外福利厚生によるアニバーサリー休暇、命日や誕生日などの特別休暇の有無です。

ただし、産業保健師の場合は保健師の配置が一人だけという環境が多いため、健康診断など忙しい時期には有給休暇が取得しづらいことがあります。

行政保健師の場合は基本的に業務を分担できる環境になっているので、有給休暇を取得しやすさという点では差があると言えるかもしれません。

産業保健師と行政保健師の残業量の違い

残業は産業保健師でも行政保健師でも必要があればやらなくてはいけませんが、残業量は産業保健師の方が多いといわれています。

その理由は、一事業所に勤務する保健師は基本的に一人だからです。

産業保健師の重要な仕事の1つに、健康診断の結果分析やまとめがあります。

従業員数が多ければデータをまとめるのにかなりの時間がかかりますし、それを元に面談や産業医への報告も行うので、残業量がどうしても多くなります。

行政保健師も残業が増える時期はありますが、保健師が複数いたり他部署と連携している職場であれば仕事も分担できるので、産業保健師ほどの残業量にはなりません。

産業保健師と行政保健師、働くならどっち?

産業保健師を配置するのは基本的に大手企業ですし、行政保健師は公務員として働くのでどちらも安定しているという点は同じです。

福利厚生の内容には差があるものの年収や休日に関してはそれほど大差がないので、待遇だけでどちらの保健師を選ぶのは難しいかもしれません。

どちらが良いのか迷ったら、自分が働く目的に合った保健師を選びましょう。

年収やスキルアップを重視するなら産業保健師

年収やスキルアップを目指したいという方は、産業保健師を選ぶのがおすすめです。

行政保健師と大差がないのは平均年収であって、働く企業やスキルによって産業保健師の年収はかなり変わってきます。

大手企業の産業保健師の中には800万円から1,000万円近い年収をもらっている人もいますし、企業側が保健師のスキルを上げるための講習会や勉強会を開いてくれることもあります。

産業保健師の年収やスキルは企業の規模に比例すると言っても過言ではないので、収入アップや保健師としてのスキルを磨きたい方は、大手企業の産業保健師を目指しましょう。

安定や地域の人々に貢献を求めるなら行政保健師

大手企業であれば産業保健師も安定していると言えますが、やはり絶対的な安定を求めるのであれば公務員である行政保健師を目指すのが正解です。

今の時代、公務員以外の職種の終身雇用制度は消滅していますので、安定という点では行政保健師に軍配が上がります。

また、保健師として地域の人々に貢献したいという方も行政保健師が向いています。

行政保健師は地域密着型の保健専門機関である保健所や保健センターが職場ですから、地域住民の健康維持や健康管理、健康促進がメインの仕事となります。

保健所では保健と福祉と医療が一体となって健康に安心して暮らせる街作りを目指しますし、保健センターでは乳幼児から高齢者、障害者など特に健康維持の指導が必要な人へのサービスを行えるので、社会貢献を目的としている方は行政保健師がおすすめです。

産業保健師と行政保健師の違いまとめ

高収入を狙うのであれば産業保健師、生涯に渡って安定して働きたいのであれば行政保健師を選ぶのがおすすめですが、一番大事なのは自分がどういった働き方をしたいか、保健師として何がしたいかなどの目的です。

自分がどういった保健師になりたいかで職場を選ばないと、やりがいを感じられませんし、転職した後に後悔する事になるかもしれません。

産業保健師でも行政保健師でも、続けるためには自分がやりたいと思える仕事内容や働き方に合っているかが重要なので、まずは自分の希望条件を整理して検討してみましょう。

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