有料職業紹介と派遣の違いは?有料職業紹介と派遣のメリット・デメリットを紹介

転職を検討している方々、特に派遣社員として転職を検討している方々は求人企業の紹介やあっせんを行なってくれる人材紹介会社の利用は避けて通れません。

そうした求人の紹介を行なってくれる会社には有料職業紹介事業労働者派遣事業といった専門用語上の区分があるのですが、言葉が似通っている面もあり、それらの違いや定義は傍からではなかなか理解しにくいものです。

しかしながら、転職において仕事の紹介を行っている事業者を利用する場合には、利用する側もこれらの言葉について正しく理解しておくことが望まれます。

そこでこの記事では有料職業紹介事業と労働者派遣事業の二つにフォーカスし、両者の違いなどを解説すると共に、転職を検討されている方々がそれらを利用する場合のメリット、デメリットなどをご紹介して参ります。

有料職業紹介事業とは

有料職業紹介事業と聞いてピンと来るという方は少ないと思われますが、「転職エージェント」という言葉でしたらご存知だという方も多いのではないでしょうか。

実は転職エージェントが行なっているサービスが有料職業紹介事業に該当します。

では転職エージェントがどのようなサービスを提供しているか、簡潔に整理しておきましょう。

転職エージェントは転職を希望している求職の方に対し、自社と取引をしている求人企業を転職先の候補として紹介します。

次に、もし求職者の方が紹介した求人企業への応募を決めたら、書類選考や面接に合格できるよう応募書類の作成内容をアドバイスしたり、面接対策指導を行なったり等の支援を行ないます。

さらに内定が決まったら双方納得の上で円満に雇用契約が成立するよう、求職者の方と求人企業の間に入って採用条件の交渉や調整を図ります。

まとめますと、転職エージェントは求職者の方に求人企業を紹介し、雇用契約が実現するよう仲介役として助言したり、条件の調整を行なったりするサービスを提供すると言えますが、こうした取組みを行なうことを「有料職業紹介事業」と言います。

有料職業紹介事業は法律で認可されている

ちなみに、有料職業紹介事業は職業安定法第4条と第32条で規定されています。

参考まで有料職業紹介事業の法律的な定義を紹介しますと、やや堅苦しくなりますが次のようになります。

「有料職業紹介事業とは求人及び求職の申込を受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんする事業を行なう民営職業紹介事業で、厚生労働大臣の許可を得て、手数料または報酬を得て職業紹介を行なうこと」

この定義からわかるとおり、一般的に転職エージェントと呼ばれている有料職業紹介事業は勝手に行なうことはできません。

厚生労働大臣の許可が必要であり、万一厚生労働大臣の許可(番号)を得ないまま紹介事業を行なった場合には違法となります

従って転職エージェント、即ち有料職業紹介事業者を利用する場合には、許可番号をちゃんと得ているかどうかを確認することが大切です。

スタッフサービス

公式画像_スタッフサービス
年代全年代雇用形態派遣社員
対象エリア全国
業界SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務販売/サービス建築設計/土木/プラント/設備等事務/アシスタント公務員/教員その他
ポイント
  • 求人数は全派遣会社の中でNO.1
  • 時給1,700円↑の好条件の求人が多数
  • LINEやサイバーエージェントなど大手企業の求人も多数
  • 福利厚生充実のホワイトで働ける

有料職業紹介事業の「有料」の意味とは?

ここで多くの方が気になるのが有料職業紹介の「有料」の意味だと思われます。

報酬や手数料を取ることを法律上認められている事業者が有料職業紹介事業者となりますので、もし求人企業の紹介をしてもらった場合、報酬を要求されるとしたら、特に無職の状態で就職先を探している方にとっては大きな負担となってきます。

ところがそうした心配は一切無用なのです。

有料職業紹介事業者は、法律上、求職者の方に職業紹介に伴う報酬や手数料を請求してはならないことになっています。

転職エージェントが報酬を受け取ることができるのは求人企業だけです。

そのため、求職者の方はサービス料や手数料といったものを請求される心配をすることなく、転職エージェントを利用できます。

労働者派遣事業とは

続いて労働者派遣事業、世間一般では「人材派遣」と呼称される場合が多いこの事業について解説致します。

人材派遣事業という言葉は不正確。法律上は労働者派遣事業

世間では「人材派遣」という言葉が一般化していますが、実は法律上人材派遣という言葉は存在していません。

世間で人材派遣と呼ばれている事業は、法律上正しくは「労働者派遣(事業)」となります。

ではなぜ労働者派遣ではなく人材派遣という言葉が一般化したかですが、大きな理由としては「労働者」という言葉がブルカラーを想起させ、「労働者派遣」という表現では派遣先の職種に対する誤解を招くことが懸念されました。

そこで、”労働者派遣事業”を行なっている事業者側が「人材派遣」という呼称を積極的に利用したことが大きな理由としてあげられます。

従って本記事では労働者派遣事業という正しい呼称を使用しますが、人材派遣事業のことだと理解した上でお読みください。

労働者派遣事業とは

労働者派遣事業は厚生労働省のサイトページ「労働者派遣事業を適正に実施するために-許可・更新等手続マニュアル-」において次のように紹介されています。

「労働者派遣事業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、派遣先のために労働に従事させることを業として行うことをいいます。
この定義に当てはまるものは、すべて労働者派遣法の適用を受けます。」
(出典:厚生労働省HPより)

この定義から労働者派遣事業のポイントを整理すると次のようになります。

派遣元が派遣する労働者とは自社で雇用している労働者

紹介文に「自己の雇用する労働者」とあるとおり、派遣元の会社が派遣する労働者とは「自分の会社で雇用している社員」ということになります。

派遣される側からみた場合、自分を雇用しているのは派遣先の企業ではなく、派遣会社だということです。

従って労働契約を結ぶのも給与を受け取るのも、社会保険の一部を負担するのも全て「派遣元の会社」となります。

指揮命令は派遣先の企業で受ける

この点が少々複雑な点でもありますが、仕事上の指示や命令を行なうのは雇用主ではありません。

派遣社員の方は、派遣先の企業からの指示にもとづいて仕事を行うことになります。

労働者派遣事業を行なうことができるのは厚生労働大臣の許可事業者

「すべて労働者派遣法の適用を受ける」と書かれていることからわかるとおり、法律の適用を受けることができる事業者、即ち労働者派遣事業を行うことができるのも、有料職業紹介事業同様厚生労働大臣の許可を得た事業者ということになります。

特に派遣社員として働く場合は、前出のとおり労働者派遣事業を行っている派遣元の会社が直接の雇用主となりますので、万一許可を得ていない不正な会社である場合には、大きな不利益が生じる可能性があります。

従って、派遣会社を選定する場合も転職エージェントと同様、厚生労働大臣の許可番号を得ているかどうかを確認しておくことが大切です。

有料職業紹介事業と労働者派遣事業の違いを整理してみましょう!

有料職業紹介事業、労働者派遣事業それぞれの内容や特徴がお分かり頂ければ、両者の違いもなんとなく掴めてきたと思われますが、ここで両者の最も大きな違いについて、比較を通じて明らかにしておきます。

最も大きな違いは求職者、求人企業、転職エージェントまたは派遣会社3社の関係

有料職業紹介事業と労働者派遣事業の最も大きな違いと言えるのが、求職者の方、人材を求めている企業、そして転職エージェントまたは派遣会社の3社の関係です。

この点の違いを、それぞれ関係の組み合わせで見てゆくことにしましょう。

求職者と求人企業の関係では

有料職業紹介事業雇用契約を締結する関係、即ち直接の雇用関係となる。
労働者派遣事業求職者と求人企業の間に雇用関係はない。求人企業はあくまで派遣された労働者に対して指示や命令を行なうだけである。

求職者と転職エージェントまたは派遣会社の関係では

有料職業紹介事業転職エージェントは求職者の方へ求人企業の紹介やあっせんを行なうだけで、雇用関係はない。
労働者派遣事業派遣会社は求人企業の仕事を紹介し、求職者が同意したら雇用し、自社の社員として求人企業側へ派遣する。

求人企業と転職エージェントまたは派遣会社の関係では

有料職業紹介事業転職エージェントは求人企業に対し「直接雇用する求職者」をあっせんし、雇用できた場合には報酬を受け取る。
雇用契約が成立し、一定期間勤務が継続するなどにより報酬が支払われたら転職エージェントの役割は終了となる。
労働者派遣事業派遣会社は求人企業に対し「派遣する自社の社員」を紹介し、合意ができたら自社社員を求人企業へ派遣する。
契約した派遣期間が終了するまで両者の関係は継続する。

他にも細かな点での違いは多々ありますが、大きな違いとしてはこれら三者の関係となりますので、有料職業紹介事業と労働者派遣事業者の主要な違いとしてぜひ理解しておいてください。

スタッフサービス

公式画像_スタッフサービス
年代全年代雇用形態派遣社員
対象エリア全国
業界SE/Webエンジニア機械/電気広告/クリエイティブ営業職医療専門職金融専門職不動産専門職コンサルタント/士業経営企画/管理事務販売/サービス建築設計/土木/プラント/設備等事務/アシスタント公務員/教員その他
ポイント
  • 求人数は全派遣会社の中でNO.1
  • 時給1,700円↑の好条件の求人が多数
  • LINEやサイバーエージェントなど大手企業の求人も多数
  • 福利厚生充実のホワイトで働ける

有料職業紹介事業と労働者派遣事業のメリット・デメリット!

有料職業紹介事業と労働者派遣事業のそれぞれの特徴や大きな違いを御理解頂いたところで、両者には求職者の方々にとってどのようなメリット、デメリットがそれぞれあるのかをまとめてみましょう。

有料職業紹介事業のメリット(求職者のメリット以下同)

・自分で求人企業を探す必要がない。転職エージェントが希望条件を踏まえて求人企業を紹介してくれる。

・転職が実現できるよう、無償で応募書類の添削や面接対策指導を行なってくれたり、転職に関する様々な助言をしてくれたりする。

・転職においてデリケートな問題となる入社条件においても、間に入って代理で交渉してくれたり、調整を図ったりしてくれる。

有料職業紹介事業のデメリット

・求人企業の紹介は、転職エージェント取引のある企業に限られる。そのため完全に希望や条件にマッチしている求人企業だけを紹介してもらえるとは限らない。

・紹介を受けた求人企業であっても、必ず採用してもらえる訳ではない。書類選考や面接試験をクリアしない限り、転職先が決まらない場合もある。

・マンツーマンの個別サービスが基本となるため、転職エージェントの担当者の力量などによっても転職の成否が左右される場合がある。

労働者派遣事業のメリット

・契約外の指示や命令(例えば残業や休日出勤)を強制される心配がない。万一そのような場合には派遣会社が間に入ってくれるため、トラブルも起きにくい。

・アフターファイブやライフワークバランスの確保がしやすい。そのため、慢性的に人手不足で残業や休日出勤が多い業界や職種を選んでも無理なく働くことができる。

・原則最長3年の有期雇用契約が前提となったため、特定の職場だけにずっと縛られる心配がない。

労働者派遣事業のデメリット

・ボーナスは原則としてもらえない。

・出世や昇進といった機会がない。

・同一会社への派遣が最長3年で原則統一されたため、(派遣会社による雇用継続義務はあるものの)長期的に考えた場合雇用が不安定化しやすい。

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