夜勤がある病棟勤務の看護師のシフトには二交代制と三交代制があります。
どちらにもそれぞれメリットとデメリットがあるため、分かっていないと実際に働き始めてから後悔する事になるでしょう。
そこで二交代制と三交代制のそれぞれのメリット・デメリットと、どちらがオススメか紹介していきます。
目次
看護師にとって二交代制と三交代制どちらの勤務が楽?おすすめは?
二交代制と三交代制のどちらが良いかということに関しては、「長時間勤務でも二日分の働きになるから二交代制の方が良い」という看護師もいれば、「短時間勤務の方が楽だから三交代制の方が良い」という看護師もいるので、人によって異なります。
ただ大手看護師サイトである『看護roo』が行ったアンケートによると、二交代制が良いという看護師は81%で三交代制が良いという看護師は10%という結果が出ています。
参照:看護roo
これは二交代制の方が休日やプライベートの時間が取りやすいためです。
ただ二交代制にもデメリットがありますので、安易に働き始めて「三交代制の方が良かった…」と後悔しないためにもそれぞれのメリット・デメリットを理解しておきましょう。
看護師の二交代制、三交代制で知るべき基礎知識
夜勤の拘束時間が違う
二交代制と三交代制の一番の違いは、夜勤の拘束時間の長さです。
二交代制の場合、夜勤の合間に2時間から3時間程度の仮眠を取るので、夜勤の拘束時間は短いところで12時間、ほとんどの病院は16時間という長丁場になります。
三交代制は、夜勤が準夜勤と深夜勤の2つに分れるので仮眠はありません。ただ労働時間は8時間なので、ここだけを見ると三交代制の方が楽な印象を受けます。
夜勤の回数も違う
拘束時間だけ見ると三交代制の方が楽に思えるかもしれませんが、夜勤の回数に大きな違いがあります。
二交代制の夜勤は拘束時間が長いので、1回の勤務で約2日分働くことになります。そのため、夜勤がシフトに入るのは週に1回か多くても2回です。
しかし、三交代制は夜勤であっても労働時間は日勤と同じなので、普通にシフトに組み込まれます。
さらに夜勤は準夜勤と深夜勤があるので、週に3回ぐらいは夜勤をしなくてはいけません。
その結果、平均夜勤回数は二交代制は4回なのに対し、三交代制は平均して8回もの夜勤を行うこととなります。
夜勤につく手当の額が異なる
二交代制でも三交代制でも夜勤手当はつきますが、労働基準法では22時から5時までの勤務にさらに深夜割増賃金を支払うことを義務づけています。
そして二交代制の夜勤は夕方から朝までになるので、三交代制と比較して長時間の深夜割増賃金がもらえます。
三交代制は準夜勤だと深夜手当は2時間分程度、深夜勤でも5時間分程度しかもらえません。そのため、夜勤による手当の額でも二交代制が大きく上回るのです。
夜勤専従看護師の給料、メリット・デメリット|週休4日で高年収リッチ生活が可能!二交代制の病院と三交代制の病院どちらが多い?
アンケートでは二交代制が圧倒的に支持されていますが、実際のところ三交代制の方が導入している病院は多いです。
年々二交代制の病院は増えていますが、割合でいうと三交代制の病院は全体の60%、二交代制は40%となっています。
とはいえ、2000年のデータでは三交代制が約92%なのに対し二交代制は約8%だったので、近年で二交代制を導入している病院はかなり増えています。
これは三交代制のシフトでは看護師の健康維持が難しい、人が確保できないなどの問題があるためです。
それでもまだまだ三交代制の病院の方が多いため、地域によっては二交代制で働きたいと思っても募集がないこともあるのが現実です。
看護師の二交代制、三交代制のタイムスケジュールについて
どちらのシフトでも日勤のタイムスケジュールはほとんど違いがありません。
しかし二交代制の夜勤は約16時間、三交代制は準夜勤、深夜勤が各8時間というのが勤務時間になるので、それぞれにタイムスケジュールがかなり違います。
タイムスケジュールの具体的な業務は病院や科目ごとに異なりますが、以下で一般的な二交代制の夜勤と三交代制それぞれのタイムスケジュールをご紹介します。
二交代制のタイムスケジュール
二交代制の夜勤は16時30分から翌朝8時30分までの勤務が一般的です。
16:30 | 勤務開始・日勤看護師からの引き継ぎ |
---|---|
17:00 | カルテの整理・患者の情報収集 |
17:30 | 巡回・患者のケア |
18:00 | 夕食の配膳、食事の介助 |
19:00 | 与薬・口腔ケア |
20:00 | 休憩 |
20:30 | バイタルチェック・おむつ交換など |
21:00 | 消灯・巡回・カルテ整理 |
23:00~ | 状況を見ながら休憩・仮眠・適宜巡回 |
4:00 | カルテ整理、おむつ交換など |
6:00 | バイタルチェック・朝のケア |
7:00 | 朝食の配膳、食事の介助 |
8:00 | 与薬・口腔ケア |
8:30 | 日勤看護師への引き継ぎ |
9:00 | 退勤 |
三交代制のタイムスケジュール
三交代制の夜勤は、準夜勤が15時30分から24時30分、深夜勤が24時から翌朝8時までが一般的な勤務時間になります。
16:00 | 勤務開始・日勤看護師からの引き継ぎ |
---|---|
17:00 | 巡回・患者のケア・おむつ交換など |
18:00 | 夕食の配膳、食事の介助 |
19:00 | 与薬・口腔ケア |
20:00 | 休憩 |
20:30 | バイタルチェック・おむつ交換など |
21:00 | 消灯・巡回・カルテ整理 |
23:00 | 点滴交換 |
24:00 | 深夜勤看護師への引き継ぎ |
24:30 | 退勤 |
0:00 | 勤務開始・準夜勤看護師からの引き継ぎ |
---|---|
1:00 | 巡回・おむつ交換など |
3:00 | 休憩 |
4:00 | 巡回・おむつ交換など |
6:00 | バイタルチェック・点滴交換 |
7:00 | 朝食の配膳、食事の介助 |
7:30 | 与薬・口腔ケア |
8:00 | 日勤看護師への引き継ぎ |
8:30 | 退勤 |
看護師の二交代制のメリット・デメリット
現役看護師からは人気の二交代制ですが、メリットだけではなくデメリットもあるのでしっかり理解しておきましょう。
看護師の二交代制のメリット
二交代制のメリットは、何と言っても給与が高いことです。
それも日勤より高いのでなく、同じく夜勤のある三交代制と比較しても高いのがメリットです。
夜間勤務は賃金が割り増しになるので、夕方から朝までの勤務時間の半分以上は深夜賃金となります。
さらに病院によっては別途で夜間手当がつくので、高収入を目指す看護師にとっては理想の働き方と言えるかもしれません。
また、二交代制は給料が高い他に以下のメリットが挙げられます。
- 日勤と夜勤だけなので生活リズムが崩れにくい
- 夜勤シフトのスパンが長い
- 夜勤明けは休日なのでゆっくり休める
- 勤務時間が長い分プライベートの時間も確保できる
- 休日の回数が多い
このように、給料だけでなく休みに関連するメリットが多いのも二交代制の特徴でもあります。
看護師の二交代制のデメリット
二交代制のデメリットで真っ先に挙げられるのが、勤務時間が長いことです。
もちろん勤務時間は病院によって違いますが、16時間未満の勤務としている病院が41%なのに対し、16時間以上の病院が59%にものぼります。
仮眠や休憩が確実に取れれば16時間でも問題ありませんが、病院によっては高頻度で救急やコール対応があるため、時間通りに仮眠や休憩ができないこともあります。
そうなるとほぼ夜通し働くことになるので、体力的にきついです。
また、勤務時間の他に以下のようなデメリットが挙げられます。
- 病院によっては仕事量が多いので時間内に終わらない
- 残業でそのまま日勤の手伝いをすることがある
- 病床数や急患が多いと休憩が取りにくい
- 少ない看護師で対応するため体力の消耗が激しい
看護師の三交代制のメリット・デメリット
看護師の支持率が低い三交代制ですが、デメリットだけでなくメリットもあります。自分にとってどちらが向いているのかチェックしてみましょう。
看護師の三交代制のメリット
三交代制を支持する看護師が一番のメリットと感じているのは拘束時間が短いことです。
三交代制の勤務時間は日勤・準夜勤・深夜勤ともに8時間です。
看護師は命を預かる仕事な上に重労働なので、長時間勤務になればなるほど負担も大きくなります。
8時間であれば集中力を保ったまま仕事ができますし、体や精神への負担も小さくなるので働きやすいです。
他には以下のようなメリットが挙げられます。
- 1勤務の仕事量が少ないので残業が比較的少ない
- 夜勤手当がつくので日勤のみよりお給料が高くなる
- 休みまでのスパンが短い
看護師の三交代制のデメリット
一方で三交代制のデメリットは、シフトが3パターンあるので生活のリズムが崩れやすいことです。
二交代制であれば日勤と夜勤の2パターンだけなので休日でリセットできますが、三交代制はシフトパターンがばらばらなのでリセットするタイミングがありません。
そのため、起床時間や就寝時間が毎日ばらばらになりやすく、生活リズムや体調を崩す看護師は多いです。
休みはこまめに取れるものの、準夜勤から休日に入って日勤…というようなシフトだと丸1日休めません。
人生を送る上で生活リズムを整えるのが難しいのは大きなデメリットでしょう。生活リズムが乱れる他にも、以下のようなデメリットが挙げられます。
- 準夜勤の退勤や深夜勤の出勤で公共交通機関が使えない
- 夜勤が2パターンあるので夜勤シフトのスパンが短い
- 夜勤があってもあくまで規定の労働時間なので休日が少ない
- シフトが細かく分れているため連休が取りにくい
このデメリットを考えると二交代制を支持する看護師が81%もいるのも納得でしょう。
二交代制と三交代制で子育てが両立しやすいのはどっち?
子育ては三交代制の方がしやすい看護師が多い
二交代制の場合、夜勤は夕方から朝までの勤務ですし労働時間も長いので、子供が幼い場合はお世話を誰かにお願いする必要があります。家族の協力などがない限り、子育てをしながらの勤務は難しいでしょう。
また、二交代制は長時間労働なので夜勤明けに子供の世話をするのは大変です。子育てとの両立に向いているシフトとは言えません。
もちろん、三交代制であっても子供の面倒を見てくれる人がいなければ働けないのは同じです。
ただ準夜勤も深夜勤も8時間労働で残業も少ないので、出勤の前後で子供の世話ができます。
どちらも家族や周囲の協力は必要になりますが、子育てとの両立やブランクからの復帰をしやすいのは三交代制のシフトと言えます。
【ブランク看護師向け】志望動機の例文!自己PRの例文や面接テクニックを紹介!看護師の二交代制と三交代制についてのまとめ
近年は同じ病院内でも二交代制と三交代制を選べたり、両方をミックスしたシフトを組んで看護師への負担を少なくしている病院も増えています。
もし二交代制で働きたい、あるいは三交代制で働きたいという希望がある場合、看護師転職サイトであれば求人欄にシフト形態が書いているので便利です。
また、看護師転職サイトならエージェントを介することで、気になる病院に二交代制や三交代制という記載がなくてもエージェントに問い合わせて貰うこともできます。
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